一緒にマンションの部屋にいて死亡した飲食店従業員田中香織さん（３０）に合成麻薬ＭＤＭＡを譲り渡したとして、警視庁捜査１課は４日、麻薬取締法違反容疑で、元俳優押尾学容疑者（３１）の逮捕状を取った。田中さん死亡についても押尾容疑者の行動と因果関係がなかったか、保護責任者遺棄容疑で捜査している。
また田中さんの携帯電話を捨て証拠隠滅を図ったとして押尾容疑者のマネジャーら数人からも事情を聴く。押尾容疑者はＭＤＭＡを使用したとして同法違反罪で懲役１年６月、執行猶予５年の有罪判決を受け、１１月１７日に刑が確定している。
押尾容疑者は公判でＭＤＭＡについて「田中さんからもらった」と供述したが、捜査１課は、押尾容疑者が自ら入手したと判断した。１１月２日の東京地裁判決でも、裁判官がこの主張を「信用しがたい」とはねつけていた。
押尾容疑者は８月２日、東京・六本木のマンションで田中さんと一緒にＭＤＭＡを服用。田中さんの容体が急変すると、救急車を呼ぶなどの適切な救命措置をとらず、現場から逃げたとされる。