自民はやっぱり小泉頼み！「鳩山総理追求チーム」“看板男”に進次郎氏

国対委員室前の壁に、看板を掛ける小泉進次郎氏（右）。左は小里泰弘氏

　自民党の野党１年目を締めくくるのは、やっぱり小泉進次郎衆院議員（２８）しかいなかった。鳩山政権発足後初の第１７３臨時国会は４日午後、４日間延長された４０日間の会期を終え、閉幕。政府提出１２法案のうち１０法案が成立し、これを受けて鳩山政権は、２０１０年度予算案の年内編成に全力を挙げる。一方、自民党は「鳩山総理巨額脱税追及チーム」を発足。進次郎氏が院内で看板を掲げると、女子高生の大フィーバーが起き、悲哀漂う１年の終わりに、かろうじて花を添えた。

　国会が閉会となる朝の院内。自民党の国会対策委員室前の廊下で珍事は起きた。進次郎氏が、この日立ち上がった「鳩山総理巨額脱税追及チーム」の看板を抱え、扉の横に掛けた。記者の呼びかけに「来年の国会は最強の野党を目指して頑張ります」と抱負を語った。

　続けて、隣の川崎二郎国対委員長（６２）が「国会を事実上閉じられてしまった。野党から言うと、質問権を封じられてしまったことに…」と、民主党への反発を口にしたときだった。廊下を歩いていた制服姿の女子高生の行列から「ギャーッ！」とものすごい悲鳴が…。

　「かっこいい！」「シンジロー！」というかけ声に、川崎氏を囲んでいたメディアも思わず進次郎氏の方へ移動。進次郎氏は「去年（鹿児島に）行った」などと応じて握手攻めに。女子高生らは、鹿児島市立玉龍高校からやってきたという。

　「かっこよかった！」「握手した！」と興奮する女子高生らに、衛視も思わず「静かにっ」と叱責（しっせき）。国会最終日、図らずも「自民党で存在感があるのは、この人だけなのか…？」という不安を裏付ける光景だった。

　自民党は衆院選で惨敗後、谷垣禎一総裁（６４）を選出。しかし若手議員らから「総裁がもっとリーダーシップを発揮してほしい」と申し入れられるなど、総裁の存在感は今ひとつ。１１月１５日には趣味の自転車で転倒し、顔面を負傷。国会論戦を約１週間離脱するなど、踏んだり蹴ったりだった。

　一方、進次郎氏は純一郎元首相（６７）譲りのトークを武器に、遊説局長代理として、各地の街頭で人気。内閣委員会の質問では堂々の論戦を見せ、案内役の社会見学ツアーに申し込みが殺到。自民党関係者によると「追及チーム」に進次郎氏の加入は確定していないという。それでも３日の夜には「看板係」として白羽の矢が立っていた。

　臨時国会では、自民党が要求していた党首討論や予算委集中審議は見送られ、首相の偽装献金問題などをめぐる本格質疑も、１月召集の通常国会に持ち越されて終了。この日、進次郎氏が去った後に通りかかった男子高生は看板を見て「５年で９億…。本当かな」と、母・安子さん（８７）から首相側への資金提供についてつぶやき、日本の未来を心配していた。

（2009年12月5日06時02分スポーツ報知）

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