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【なごやデパート情報】

「名古屋三越」10月設立 栄と星ケ丘、来春から直営

2009年8月25日

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は24日、2010年4月に名古屋を含む地方7都市の三越直営店を分社化すると正式発表した。事業を受け継ぐための準備会社として名古屋では今年10月に「名古屋三越」を設立。準備会社は名古屋栄店に本社を置き、同じ名古屋市にある星ケ丘店を含む2店の運営を引き継ぐ。

 名古屋栄店は09年3月期の売上高が645億円で、三越では日本橋本店に次ぐ規模。三越伊勢丹HDは「地域事業会社に権限譲与を行い、顧客の要望に迅速に対応できる営業体制を構築する」と組織再編のメリットを説明する。

 ただ、名古屋栄店に隣接する専門館「ラシック」の移管先や新会社に委譲される権限の範囲など「検討中」(広報)の部分も多く、今後、人事も含めた具体的な調整を進めることになる。

 名古屋の両店は、1954年に設立された「オリエンタル中村百貨店」が前身。77年に三越と資本や人材の受け入れなどで提携し、80年に名古屋三越百貨店、91年には名古屋三越に社名変更した。「ラシック」の建設を控えた2003年、グループの再編や財務体質の強化などを目的に、千葉三越など他の子会社3社とともに三越本体と合併した。

 名古屋市内の主要5百貨店の合計売上高は、07年12月から今年7月まで20カ月連続で前年割れとなるなど、業界を取り巻く経営環境は厳しい。J・フロントリテイリング傘下の松坂屋も来年3月に大丸との合併を予定するなど、生き残りをかけた競争が激化している。

 今回の分社化について、地元の他の百貨店関係者からは「地方各店の損益をはっきりさせ、責任の所在を明確化することで経営を引き締めようとしているのでは」との見方の一方で「会社の形はともかく、働いている社員には自分の立場がどうなるのか、不安に思う人もいるのでは」と気遣う声も聞かれた。

 

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