インベーダーは、今後のコンテンツ製作の目標

――人々の記憶に残る『スペースインベーター』という作品について、最後に一言お願いいたします。

和田氏:タイトーとしては、インベーダーが原点だと考えています。当時ゲームの中身もマーケティングもあらゆる新しいことをやっていて、それが当たってブームを引き起こしたわけですからね。今後もそれをイメージとして打ち出していきたいですね。

 それともう一つ、我々が作ったゲームを題材に、お客さんにいろいろな経験や思い出を作ってもらいたいですよね。そういう意味でも当時のインベーダーは、ゲームをネタにしてコミュニケーションが成立した最初の作品だと思っています。今後のコンテンツを作る上で、目指すべき目標としてこれからもインベーダーを使わせていただきます。

西角氏:発売からすごく時間がたっているのに、今もインタビューされたりして、「大変なもの作ったんだなぁ」と感じます(笑)。ちょっと客観的すぎるかもしれないけど、以降ファミコンをはじめ、新しいハードが出るたびに移植されて、売り上げに貢献していたところを見ると、みんなに長く遊んでもらえるゲームなんだなと、改めて技術者としての幸せを感じました。

 今はテーマが多すぎて遊ぶ人を驚かせるようなゲームを作るのが難しくなっていますが、開発に携わる人間としては、子供から大人までみんなが遊べるゲームをこれからも作っていきたいですね。

西角氏が率いるドリームスは、これまでもタイトーとコラボレーションをしてきている。今後和田・西角両氏がエンドロールに名を連ねる作品がリリースされる日も、そう遠くはないかもしれない(画像クリックで拡大)

(文/稲元徹也)