――インベーダーを作られたときは、西角さんは具体的にどんな作業をなされたんですか?

西角氏:企画としてはまず、当時ブロック崩しタイプのゲームがヒットしていて、それを超えるようなゲームを作ってみたいと考えていました。この時点でコンピューターを使うことは決めていたので、グラフィックや動きを今までにないようなものができると考えたんです。ブロック崩しをベースに、ブロックを別の形にして、シューティングゲームの形にしてみようと思ったのが最初の大まかな企画でしたね。

――インベーダーのデザインも西角さんの手によるものなんですか?

西角氏:そうですね。限られたドット数の中でキャラクターを打ちました。モニター上で2パターンの動きのアニメーションをできるツールを作って、ライトペンを使って調整しながら画面に打っていきました。

――開発の流れとしては、今では考えられないですね。

和田氏:今はゲームの全体像が見えなくなるぐらい分業になってますからね。そういう意味では、作る側も原点に返らないといけないとも思いますね。

インベーダー開発資料の一部。当時はPCもないため、当然すべて西角さんの手書きによるもの。3種のインベーダーはタコ、カニ、イカをモチーフにしている。右はUFOなどのキャラクターの動きのルーチンを図に表したフローチャート(画像クリックで拡大)