――タイトー製のものを探して歩いたというのはすごいですね。

和田氏:そうですね(笑)。さらにそういう店は同じような人たちがさんざん遊んでいるので、レバーがガタガタになってるんです。そしてまたちゃんと動くものがあるところを探しに行くんですよ(笑)。

西角氏:私も昔聞いたことがあるんですが、タイトーと他社さんの製品とは操作なんかも微妙に違うらしいですね。

和田氏:ゲームセンターではアップライト、喫茶店はテーブルタイプで、インベーダーハウスには後者が多かったんですよね。

――テーブルタイプの筐体というのは、インベーダーのときに開発されたんですか?

西角氏:いや、その前からありましたよ。確か『ブロック崩し』が出たときに、タイトーが最初に作ったと記憶しています。

 あれは営業側の人の発想で、我々開発側の発想じゃないですよね。我々はゲームというのは(アップライトタイプの筐体を指差して)こういう機械というイメージでしたので、テーブル型にして誰が遊ぶのかなって思っていましたからね。小さなスペースに置けて、テーブルと兼用するというアイデアは、すごく営業的な考えですよね。

和田氏:とにかくあらゆる場所に、あのテーブル筐体は入ってましたね。

西角氏:最初あのテーブルタイプはゲームセンターに入っていたんです。ブロック崩しの時代はあまり喫茶店に入っていませんでしたから。喫茶店を開拓したのも実はインベーダーなんです。

和田氏:アップライトからテーブルタイプにして置かれる場所が変わったというのは、マーケティング的にすごく斬新で画期的でしたね。あのように小さくなったおかげで、すごくいろんなところに置かれましたからね。

アップライトタイプとテーブルタイプのゲーム筐体。大型のアップライトは主に海外で稼働していたもの。横面のイラストが懐かしくも新しい。テーブルは主に国内向けで、1990年代までよく見られたものだ(画像クリックで拡大)