東京・六本木のマンションで飲食店従業員の女性(当時30)が死亡し、一緒にいた俳優の押尾学容疑者(31)が麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で有罪判決を受けた事件で、警視庁は4日、この女性に合成麻薬MDMAを渡したとして、同法違反(譲り渡し)の疑いで押尾容疑者の逮捕状を取った。ほか数人とともに取り調べる方針だ。
押尾容疑者は8月2日ごろ、港区六本木6丁目のマンションの一室で、MDMAの錠剤を若干量飲んだとして起訴され、11月2日、懲役1年6カ月執行猶予5年の有罪判決を受けて確定している。
捜査1課によると、押尾容疑者に対する逮捕状の容疑は8月2日ごろ、女性にMDMAを渡したというもの。押尾容疑者は同日午後2時半ごろから、女性と2人で室内にいた。司法解剖で女性の血液から相当量のMDMA成分が検出され、同庁は薬物中毒死とみている。
押尾容疑者はこれまでの同庁の調べや公判で、「薬は女性からもらった」と述べていた。しかし、判決の際、裁判官から「MDMA使用がどのような経緯で行われたのかについての被告の説明は不自然で信用しがたい」と指摘されていた。