【結婚詐欺・連続不審死】新たに男性２人　練炭大量購入、１億円貢がせ

　結婚詐欺容疑で逮捕された無職の女（３４）＝東京都豊島区＝の知人男性４人が不審死していた事件で、新たに女と接点のある男性２人が不審死していたことが２８日、捜査関係者への取材で分かった。埼玉県警が女の自宅のパソコンを解析したところネットで大量の練炭を購入していたことも判明。女は男性らから総額１億円近くを口座に振り込ませるなどしていた。県警は警視庁や千葉県警などと連絡を取り合い、一連の不審死の解明を進めている。

　埼玉県警などの調べでは、これまでに女の周辺で、東京都千代田区の大出嘉之さん＝当時（４１）＝ら都内と千葉県内の４人の男性が不審死していた。このほかに、新たに首都圏の男性２人も女と知りあった後に突然、死亡していたことが分かった。

　捜査関係者によると、女は男性らに多額の現金を振り込ませるなどしており、平成１９年８月ごろに死亡した千葉県松戸市の男性（７０）は約７４００万円を渡していた。女はこのほかに複数の男性と交際を繰り返し、総額で約１億円の現金を貢がせていたという。女は「生活費のために使った」などと供述、借金もほとんどなかった。県警は金の使途についても調べを進めている。

　女はまた、大出さんの遺体が見つかった８月や千葉県野田市で安藤建三さん（８０）が死亡した前月の４月などに、ネットで練炭を大量に購入。同時期に病院で睡眠薬を処方されていた。県警は女の自宅から練炭や睡眠薬を押収した。

　また、東京都青梅市の自宅で２月に死亡しているのが見つかった会社員の寺田隆夫さん（５３）の室内には、練炭を入れた容器が６つ置かれていた。警視庁は当初、自殺とみて司法解剖や行政解剖をしなかったため、睡眠導入剤が使用されていたかは判明していないが、一連の不審死事件を受けて事件の可能性があるとみて捜査する方針を固めた。