2009-11-29 性犯罪を容認する発言を許す産経新聞へ抗議しました
11/25 水曜日、産経新聞の「オピニオン」という記事で、曽野綾子氏がとんでもないことを発言しています。
文章全体が、あまりに非論理的で、つっこみどころが満載なのですが、
曽野綾子氏、ノック事件から10年、全く認識が変わっていないようです。
ノック事件のときは、被害者の女性が
「すぐにその場で」「キャーッと大声で」「叫ばなかった」ことを平然と非難し中傷していました。
共感能力もなく、そういった経験のない女性にはわからないのでしょう。
実際には声も出ないほど驚愕し恐怖を感じるということが。
この記事、読めば読むほど、非論理的です。
一瞬、認知症の前兆なのだろうかと本気で考えたくらいです。
問題の記事はこちら→http://livedoor.blogimg.jp/teranews/imgs/f/2/f20c16eb.jpg
産経新聞 オピニオン 「用心するということ」
曽野綾子の透明な歳月の光
外出時間やスカート丈・・・結果に責任
警察が、夜11時以降の公園の立ち入りを禁止するという条例を作ろうとしたら、それは「憲法に違反する」と若者からの突き上げがあった、という。
警察は「憲法に違反しません」と言う。警察がこういう防止策を講じようとしたのは、もちろん最近残酷な犯罪が起きているからだろう。
もちろん決定的に悪いのは犯人だが、被害者の遺族の気持ちを考慮せずに言えば、最近の日本人は、用心するということをしない。大学生がアルバイト先から、暗くて自分でも気味が悪いと思うような夜道を歩いて帰る、ということが本来は常識外なのである。
アラブの保守的な国なら、娘たちは、毎朝父か兄かに送り迎えをされて登校する。1人で外出したり、外国へ旅行したりすることは、考えられない。欧米の国でも夜道を1人で女性が歩いたりすることは非常識な行動だと、なぜ日本では教えないのだろう。
今でも忘れられないのは、いわゆる「基地の町」の駐車場で、夜半過ぎに1人で歩いていた女性が米兵に襲われて殺された事件である。
もちろん襲った米兵が悪いのだが、午前1時過ぎに基地の近くを1人で出歩く女性は、性的商売をしていると思われても仕方がない。それは日本以外のほとんどどこの国でも示される反応だ。
基本的な行動の自由と、自衛の手段を講ずることとは、全く別の次元である。というか、行動の自由を口にするなら、十分すぎるほどの用心や、世界的常識を学ぶことができなくてはならない。
ヨーロッパ在住の日本人が驚いているのは、日本の女子校が、どうして制服にあんな短いスカート丈を許すのか、ということである。あれでは男たちに手を出してください、といわんばかりですね、と彼らは言う。
先日パリのデパートをのぞいたら、果たして最新ファッションが並んでいた。しかし町行く人たちは、保守的で質素な服装ばかりで、私はすこしがっかりしたのだが、
「午前中から最新ファッションの人なんかで歩きません。そういう人は夜遅くです」
「ほんとうに最新流行を着こなすお金持ち階級は、車に乗って移動するんです」
という2つの返事で納得させられたのである。
太ももの線丸出しの服を着て性犯罪に遭ったと言うのは、女性の側にも責任がある、と言うべきだろう。なぜならその服装は、結果を期待しているからだ。性犯罪は、男性の暴力によるものが断然多いが、「男女同責任だ」と言えるケースがあると認めるのも、ほんとうの男女同権だ。
親の庇護の下、学校の責任下にある間は、両者とも外出時間やスカートの長さに口を出し、常識を教えて当然だ。それが嫌なら、経済的に自立した上で、どんな結果も覚悟のうえでしなさい、と私なら言いそうである。
突っ込みどころは沢山ありますが、
曽野綾子氏の主張は、女性の社会生活を限りなく制限しろと言っているようなものです。
父や兄に迎えに来てもらうことを推奨していますが、一人暮らしの場合はどうなるのか。
父や兄がいない家庭は?とはてしなく疑問がわきます。
また、“太ももの線丸出しの服”に対して異常な憎悪を感じますが、
どういう服装をしようと、襲ってくれなんて誰も頼んでいないのです。
レイプファンタジーを持っている女性は一部ですし、そういう女性も、実際に襲われることは望んでいないのです。
どういう人であっても、犯罪に遭っていい人なんていません。
暴力でしかないのです。
性暴力を、あって当たり前とするのは、間接的に容認していることになります。
加害行為である暴力をなくすよう働きかけるべきです。
被害者は全く悪くありません。
悪いのは、加害者です。
何より、性犯罪は、性欲が原因ではありません。
支配したい、征服したいという歪んだ考えで、
性を使った暴力により被害女性に最大限の屈辱を味あわせ、優越感に浸るのが目的です。
性欲は手段にすぎません。
実際に、受刑中の性犯罪者を対象に行なった調査では、
「きれいだから」「挑発的だから」という理由ではなく、
「おとなしそうだから」「弱そうだから」「人に言わなさそうだから」が圧倒的です。
さらに、夜道の一人歩きの女性への見知らぬ男性による犯罪のみをレイプと捉えているようですが、
実際には、加害者は、7割から9割が、見知っている人によるものです。
それをどのようにして防げというのか。
あまりに無責任です。
また、子どもが被害に遭うのは、圧倒的に実父、継父が加害者の場合が多いのです。
次に兄弟、親戚、教師や近所の人、となります。「父や兄」が安全な人ではないのです。
家庭こそ危険な場所という認識を持つ必要があります。
(これはまた別エントリで書きます)
この記事を書いた曽野綾子氏、そしてそれを掲載した産経新聞は、
勉強不足、認識違いとしか言いようがありません。
早速、抗議しました。
http://sankei.jp/inquiry.html#Articlesによると
記事に対する要望感想等のメールは以下のアドレスです。
u-service@sankei.co.jp
抗議していただける方、ご協力をお願いいたします。
<11/30追記>
関心持ってくださりそうなところにトラックバック送ることにしました。
なぜなら事実を知ってほしいから。
でも抗議に協力しろというわけではないので、トラックバック受け取った方、ご安心を。
◆フランチェス子の日記 強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ
◆火星人blog 懐古主義との抱き合わせ販売は止めて欲しいですな
◆DDC blog 産経の「結果に責任を」記事
◆WebLab.ota 重み付けと自己責任
◆どろの日記 曽野綾子の目は節穴か
◆陽だまり、猫だまり。 とんでもない虚言をまき散らす、産経論壇上の曽野綾子
◆ 美しい壺日記 ◆ 曽野綾子「被災者は甘えるな」
■Ohnoblog 2■曾野綾子とミニスカート
■地を這う難破船■マッチポンプはどこまでも
■地下生活者の手遊び■男性ジェンダーと加害性
<12/2〜付記>※順次追加します
◆シートン俗物記◆男は夜道で刺されても当然
◆Non-Fiction(Remix Version)◆慎ましくすれば被害に遭わない? 馬鹿言ってんじゃないよ
◆経済学101◆ミニスカートが悪いのか
◆bye bye blackbird@Hatena◆スカート丈。
◆12/3過ぎ去ろうとしない過去◆
「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別
◆12/3みやきち日記◆
◆隠フェミニスト記(仮)◆
http://anond.hatelabo.jp/20091203211034#←曽野綾子のコラムのパロディ
<あわせて読みたい素敵な記事>
◆Gazing at the Celestial Blue ◆
◆村野瀬玲奈の秘書課広報室◆
強姦についての俗論を分析し、「強姦予防法」試案を小声で提唱してみる。 (追記5まであり)
<当ブログ関連過去記事>
BLACKBIRD 2009/11/29 11:41 性犯罪被害者は見た目の服装が大人しくて地味な、慎ましい人が狙われるのは分かりきった事です。
性犯罪者は襲うのが楽な相手を選びますから。
大胆な性的アピールをしている女性を襲ったら同伴や交友関係のある男友達や恋人から報復されかねませんからね。
報復の心配のない相手を一方的に蹂躙するのが性犯罪に限らず、暴力犯罪の構図でしょう。
イスラム圏の女性みたいにブルカでも着るのが最も安全との「脳内治安維持の妄想」が「正当派保守思想」に多いのはどうしたものでしょうね…。
manysided 2009/11/29 23:31 BLACKBIRD さま、初めまして。
コメントありがとうございます。
>報復の心配のない相手を一方的に蹂躙するのが性犯罪に限らず、暴力犯罪の構図<
そうですね。ゆがんだ支配欲でしかないです。
そんなことをして何になる?と正常な人は思うはずなのですが、そうでないのが暴力をふるう側になるのでしょう。
「脳内治安維持の妄想」「正統派保守」、まさにカギカッコが必要ですね。
彼らの感覚は独特で理解不能です。
portulaca198 2009/11/30 19:41 お久しぶりです。
性暴力に関する曽野綾子氏の認識のダメダメさについて、manysidedさんやブクマ欄やコメント欄の大部分の方々と同様の感想を持ったのですが、それとは別にヨーロッパ在住日本人という立場から一言。
「ヨーロッパ在住の日本人が驚いているのは、日本の女子校が、どうして制服にあんな短いスカート丈を許すのか、ということである。あれでは男たちに手を出してください、といわんばかりですね、と彼らは言う。」
私も、私の知り合い(日本人、外国人、現地人問わず)も含め、そんなこという人はいませんよ。
そんな発言をしたら公の場でも、私的なおしゃべりでも非難や嘲笑の的となるだけでしょう。
曽野綾子氏のお知り合いの方々(何人いらっしゃるのかは知りませんが)の方が一般常識から外れた少数派です。
それをまるで「ヨーロッパではそれが常識」みたいに言ってほしくないです。
ブログデザインを模様替えされたんですね。
紅葉、いいなぁ。
こっちの木々も一応紅葉しますけれど、日本みたいに鮮やかに色が変わるものは見たことないです。
それはそれでまた風情があるんですけどね。
manysided 2009/11/30 22:58 portulaca198 様、コメントありがとうございます。
>私も、私の知り合い(日本人、外国人、現地人問わず)も含め、そんなこという人はいませんよ。
そんな発言をしたら公の場でも、私的なおしゃべりでも非難や嘲笑の的となるだけでしょう。<
やはり!!そうですよね!
そもそも、なぜヨーロッパ在住の「日本人」を持ち出すのか意味不明です。
曽野綾子氏と同類の方がたまたま日本ではなくヨーロッパにお住まいなのだろうと思っていましたが、やはり!!
>「ヨーロッパではそれが常識」みたいに言ってほしくないです<
portulaca198 様のように、ヨーロッパ在住の方にも、ヨーロッパの方にも、迷惑な表現ですよね。
他にも、この文章、あちこちを否定しまくっていて、疲れますよね。
また、ブログデザイン、言及いただき嬉しいです^^
>こっちの木々も一応紅葉しますけれど、日本みたいに鮮やかに色が変わるものは見たことないです<
おお、そうなのですか。木の種類も違いますものね。
銀杏はアジアに多くて、欧米にはあまりないとかいう説もどこかで聞きましたが(違ったらごめんなさい)、紅葉もそうなのでしょうか。
紅葉シーズン特集、テレビなどでやってました。近所の公園くらいしか行ってないので、いいな〜と思うのは私もです^^
BLACKBIRD 2009/12/01 16:38 済みません、自分の今年一月のblog記事を貼らせて頂きます。
スカート丈。 - BYE BYE BLACKBIRD@Hatena
http://d.hatena.ne.jp/BLACKBIRD/20090123/1232681476
「保守本流」の方々は多分こう言う考え方の教育者が多数いらっしゃる学校で「保守本流の崇高な精神性」を学ばれてるから不毛なミニスカート論争が起こるのではないかと…。
都会の非人間的な寿司詰めラッシュ状態の通勤列車や通勤バスでは、異性同士の肉体接触が不可避で、痴漢問題に発展するので、そう言う意味ではミニスカートの是非は問われてもいいでしょうけど、大したラッシュ通勤も無い地方で、ミニスカートは盗撮犯罪以外はリスクは無い様に思われますが…。
欧州だとミニスカートの是非論争は英国が有名です。
らばQ:「女子中高生のスカートが短すぎる!」スカート禁止でズボン着用に…イギリスの名門校
http://labaq.com/archives/51269049.html
英女子生徒100人が「制服のミニスカート禁止」撤回求め授業ボイコット。 - livedoor ニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/4214200/
XYZ 2009/12/01 17:13 つらつら考えるのですが、曽野さんの言う事は一理あるのでは?
人には道徳や倫理、品性があるから人間だと思うのです。
スカート丈も行き過ぎると「これはファッションだし〜」ではすまないレベルだと考えます。
ファッションにおける品性(その型化したものが道徳・倫理)は公共の環境を性的本能を助長するファッションで汚染するのを防ぎ平和を保つ伝統知であるとともに、
個人レベルのことで言えば女の人を守り男の人の本能を抑えつつ理性的に振舞わせる伝統知です。
男女お互いが理性的に振舞うことは、男の人だけに理性を求めるのでなく女の人も気をつけないといけない事は多いはずなんです。
ただ今の女の人は戦後のアメリカ的市場経済の発展と戦後のアメリカ的自由主義・個人主義によって、そうした伝統知を束縛ととらえてしまうきらいがあったのではないでしょうか?
家に鍵をかけずに外出して空き巣に入られたら阿呆なように、性犯罪にもそれは通じる部分があると思います。
性犯罪者が許されざる存在なのは自明のことですし最近一層の抑止強化を日々感じています。もっと強化してもいいくらいです。
と同時に男女共に道徳・倫理・品性という、自由とコインの裏表出なければならない伝統知の低下を反省すべきでもあると思うのです。
私としては良識的過ぎるくらいのことを言ってるつもりなのですが如何でしょう?
まい 2009/12/01 19:26 XYZさん。
あなたこそ性暴力をふるわずに我慢することを「束縛」と捉えていらっしゃるのではないですか?
道徳や倫理、品性がある人間であればそもそも性暴力をふるいたいなどという欲望は持たないので、そんなことをいちいち「束縛」だとは感じないのですが。
性暴力をふるいたいという欲望が当たり前にあるという方は、人間未満の方だと思われますので、そんな方の「人権」など考慮する必要はないでしょう。
動物愛護の対象にはなると思いますのでむやみに苦痛を与えてはいけないかと思いますが、所詮人間に害を与える害獣、隔離されるべき存在であるとは思います。
どちらかというとあなたは害獣の権利を保護するために人間の権利を縮小すべきだと主張する狂信的動物愛護団体の立場に近い物言いのように思えます。
確かに一見良識派に聞こえますが……あなたが害獣の被害をまったく受けない立場からおっしゃっているのならとんだ欺瞞でしょうね。
もし自分も被害を受ける可能性があるけれど自分は害獣が可哀想だから我慢しますというのならそれは構いません。けれどそれを他人に押し付けないでください。
manysided 2009/12/02 06:35 BLACKBIRD様、コメントとブログの紹介ありがとうございます。
「保守」とされる方々には困ったものです。
どういう服装だろうが、してはいけないのです。
仮にミニスカート廃止にしたところで、犯罪はなくなりません。
manysided 2009/12/02 06:40 XYZ様
>男女お互いが理性的に振舞うことは、男の人だけに理性を求めるのでなく女の人も気をつけないといけない事は多いはずなんです<
現状、女性のみに注意を呼びかけているのが問題だと思います。
仮に女性が全員夜道を歩かない、肌の露出ゼロの格好をしても、今度は自宅侵入などの犯罪や昼間の犯罪が増えるだけです。
自転車に鍵をかけ忘れて盗まれても、被害者が悪いとは言われず、盗んだほうが悪いと言われますね。
お金持ちだから強盗や窃盗にあってもしょうがない、なんて言われないですよね。お金持っているほうが悪い、とは。
性犯罪だけ、被害者が悪いとされるのは、どうしてなのかをお考えになってください。
>私としては良識的過ぎるくらいのことを言ってるつもりなのですが如何でしょう?<
申し訳ないですが、良識的とは到底思えませんので、価値観が違うのでしょうね。以降のコメントはご遠慮願います。
manysided 2009/12/02 06:53 まい様
コメントありがとうございます。はあ〜と脱力していたので、励まされました。
私もつくづく思っていることなので、くすくす笑いながら読みました。
>性暴力をふるいたいという欲望が当たり前にあるという方は、<
ここが問題なのですよね。
まともな人はそういうことは思わないので、自分の考える「男らしさ」の歪みを正してほしいものだと思います。
まい様が仰るよう、自分が被害を受ける可能性がないからこそ言えるのでしょうね。実際には男性も多く性被害にあっているわけですが。
XYZさん、あなたのような考えの人には、札でも首から下げて歩いてもらえると女性は自衛しやすくて助かります。
BLACKBIRD 2009/12/02 11:08 イスラム圏の様なブルカで「重武装」しても、女性は性犯罪から逃れられない訳ですし。
「保守本流」の方々の考え方は、個々人の「表現の自由」より、「政府・為政者の統治のし易さ」を何よりも重要視します。
肌の露出が減る=異性として意識しない=性を巡る社交要素が減って、制御し易いロボットの様な従順な社会集団の醸成が成立ってのが目標なので…。
ミニスカートを見て、異性の魅力的下半身大腿部の露出を見てどぎまぎする程度なら単なる「文化・価値観の衝突」ですが、結局は政治闘争である事を意識しないと正当な価値観の説明に終始している内に、統制派に政治を牛耳られ、表現の自由を喪う可能性は常にありますね。
保守本流の人々の言う「日本民族の美しき歴史的伝統」ってのは殆どが明治以降、遡って精々江戸時代の習俗止まりですし。
BLACKBIRD 2009/12/02 11:18 西欧社会の社交のフォーマルドレスだって、スカートの裾丈は長いですが、背中はガバーッと開いているのが主流、場合によっては胸元が谷間の露出も含めかなり際どい露出も当たり前ですよね…。
要するに「不謹慎か不謹慎でないかの価値判定」は、宗教や政治の指導層・支配層の見識如何に関わってるだけなんですよ。
権力の無い者/一般国民/庶民が自由な服装をしようとするだけで、政治闘争になってしまうのは、歴史の必然ですし、闘争が必要がない程、日本社会は進化してないのでしょう…。
保守本流の方々の統制の考え方の傾向は歴史的にはこんな感じで…。
奢侈禁止令 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A2%E4%BE%88%E7%A6%81%E6%AD%A2%E4%BB%A4
manysided 2009/12/03 02:40 BLACKBIRD様コメントありがとうございます。
仰るように、たとえ露出が全くない、イスラム圏のような格好をしても、夜道を歩かなくても、犯罪はなくなりません。昼間や侵入しての犯罪が増えるだけです。
昼間も歩くな、自宅には警備員を雇え、ということでしょうか。(そうすると警備員になりすます犯罪者が増えそうですが)
…という具合に、限りなく社会生活が制限されていってしまいます。自衛で防ぐのは無理です。
フォーマルドレスは、本当に背中が開いていますよね。それが普通とされているのに、これいかに?と思います。
保守派は、BLACKBIRD様が仰るように、
“「政府・為政者の統治のし易さ」を何よりも重要視”しているのでしょうね。
こういう方々に同調する危険性を考えてほしいものだと思いました。
庶民レベルでは、日本の家父長制の歴史は実は浅くて、明治以降なのに、保守派は「日本の伝統」と言っているのが、私も不思議でなりません。
リンク先のご紹介ありがとうございました。
なんでもかんでも統制しようというのは、戦前の危険な思想よりで私も怖ろしいです。
BLACKBIRD 2009/12/03 10:35 曽根綾子氏はキリスト教のカソリック教徒です。
彼女の言う「日本人の保守本流」=「日本社会での倫理至上主義のキリスト教価値観」を意味します。
彼女の考え方は欧州のキリスト教保守派の価値観その物です。
明治時代に日本社会を欧米の先進工業社会追い付け追い越せの文明開化の時に日本人が雇った「先生」=「御雇い外国人」のキリスト教保守的な価値観がどっぷり、「日本の伝統の保守」と名前を変えて今も息づいています。
結婚式で、神道に神前結婚式が登場したのは明治以降で、キリスト教の結婚式のスタイルを借りて成立しているのは余りにも有名です。
「美しい国日本」とやらの精神の支柱「神道」だって、キリスト教の影響を受けまくりですから、そらー、後は推して量るべしです…。
日本の倫理の押しつけの多くはキリスト教保守派の「倫理/モラル」の受け売りと思っていいと思います。
alan_smithee 2009/12/03 23:16 私も曽野綾子の暴言に非常な怒りを感じました。思うにこういう右翼は、若者が自分からミニスカートを穿くことはよく思わない癖に、下着検査で生徒が教師に下着を見られようなことは肯定するのでしょう(このことは、芹沢氏の「引きこもり狩り」に書いていました)。こういった恥ずかしめにあうことを思ったら、「経済的に自立してどんな結果も覚悟のうえで行動する」ことの何と簡単なことか。こういった教師の下着検査のほうが、「教育のために、お前たちの為を思って」という「善意」で子供たちを苦しめている分だけ、レイプ以上に悪質であると考えます。
更に悪質なことに、こうしたクソ右翼に限って、若者が性に関心を持つことをよく思わない癖に、若者が異性に関心を持たず結婚しないことについてはよく思わないものです。子供のころは「勉強しなさい」と言い続け、ある年齢になれば、勉強して培った能力や地位など一顧だにせず「結婚しなさい」と言って、異性に関心を持たないことを悪く言う。
こうした矛盾こそが若者を苦しめているのだということに右翼は気付かないのでしょうか?どんなに厳しくてもモノサシが一本なら人は焼かれながらでもついてくるものです。逆にいえば、こうした矛盾する大人の言葉は、エリック・バーンのいうように子供にとって非常に辛く過酷なものです。
ttp://society6.2ch.net/test/read.cgi/gline/1202489810/235
manysided 2009/12/04 03:31 BLACKBIRD様
コメントありがとうございます。
明治維新以降の富国強兵などのさまざまな政策が現代日本人の意識に、悪影響をもたらしていますね。例をあげると、産めよ増やせよ的な発想、家父長制と母性神話、イエへの信奉、夫婦別姓反対などキリがないですが。これがDVや性暴力、子どもへの虐待へと密接につながっています。
神道やお寺の関係と明治維新以降の国策はどこかで聞きかじったことがあるのですが、キリスト教との関係は知りませんでした。納得です。
貴重な情報ありがとうございました。
保守はどの国でも同じような主張をしているようですが、それを支える思想はもはや何が原因か本人たちはわかっていないようですね。要は男尊女卑を維持したいのだろうと私は思っています。
manysided 2009/12/04 03:39 alan_smithee 様、初めまして。
コメントありがとうございます。
つくづくダブルスタンダードはよくないと私も思います。教育する側の大人の教育が必要だと思います。矛盾したメッセージを抱えて生きることと、まちがった情報をメディアから学んでしまうことの悲しさと怖さを感じます。
>更に悪質なことに、こうしたクソ右翼に限って、若者が性に関心を持つことをよく思わない癖に、若者が異性に関心を持たず結婚しないことについてはよく思わないものです。<
そうなのですよね、ガチガチの純潔主義だけでなく、
娘に「ムシがつくのは許さん」と鼻息荒くしている父親たちも、娘が25やら30やらになると今度は「誰かいないのか」と焦りだしてうろたえる話は巷に転がっていますし、もうどうしたものやら。
またエリック・バーンのことをお教えいただいてありがとうございました。
エリクソンのお弟子さんなのですね。エリクソンのライフサイクル説には非常に頷かされます。
エリック・バーンのことも勉強しようと思います。
kanayVc 2009/12/04 07:53 まあまあ、みなさん、落ち着いて。
みなさんの個々の主張には全く異論ありません。確かに、性犯罪被害になりやすい女性の類型に関しての右翼連中の誤解やら、奴らのダブル・スタンダードやら、そういったものはあるでしょう。私も(すみません、ジェンダー的にもセックス的にも男性です)妙な保守的心情を押しつけてくる奴らには虫唾が走ります。
とはいえ、この記事に対するはてなブックマーク(?)での反応は―たいへん口は悪く、あまり読んでて愉快になるものではないですが―残念ながら、基本的には要点をついていると思います(私から反論したい点も一部ありますが)。ブログ主さんの曽根綾子に対する反応は、彼ないし彼女(ブックマーク主)が言うように、おそらく過剰反応であり、元々ないところにあえて敵を作って叩いているというところが、残念ながら、あるような気がいたします。
失礼な言い方をすれば、独り相撲。S社の文章から読み取れる限りでは、曽根綾子氏は、性犯罪者を許容しているだとか彼・彼女らへの情状酌量の余地を認めているようには、私には思えませんでした。曽根綾子が「女性にも責任がある」などという頓珍漢なことを最後に言ったおかげで議論が紛糾していますが、新聞記事の前半を恬淡と読む限りでは、「鍵をかけないと泥棒に入られるんだから気をつけようよ」という至極まっとうな主張以上のものは、少なくともこの文章から読みとれる限りでは、していないような気がするのですが…
(まあ、私が曽根綾子という人、あるいはS新聞の暴発ぶりに対するリテラシーを有していないからこんな甘いことが言える、のかもしれません)
曽根綾子の妙な部分的な主張をのみ取り出してやり玉にあげるというのは―これに類したことはしばしば行われていることとはいえ―、政治戦略としてもそんなによくないのではないでしょうか。味方になり得る人々、つまりこれまでフェミニズムのジャーゴン・しきたり等に慣れていなかったが、潜在的には共感する要素を持っている人々、を巻き込む機会を、逸してしまいかねないのではないでしょうか。
そんな感じでちょっと危惧したところがありましたので、門外漢ながら書きこんでみました。勘違い等ありましたら―絶対あると思う―是非お知らせください。私ももちろん、よくわかってねー野郎ですので、みなさんから学びたい、学ばせてください。
最後に、これでも私は一応フェミニズムの味方のつもりです…
BLACKBIRD 2009/12/04 09:40 女性に対する性犯罪被害に伴う二次被害/セカンドレイプに対してははもっと声を上げるべきだと思います。
多くの人々は、女性が性犯罪被害を受けると社会的に抹殺されると言う事実を認知していないか、目を瞑っています。
性犯罪被害者の女性に対する社会の仕打ちは、準えるのが不適切で申し訳ないのですが、分からず屋ばかりなので、敢えて申し上げますが、男性が女性に対して痴漢容疑を一度掛けられと例え冤罪であっても、性犯罪加害者として「社会的に抹殺」されてしまうのと同じです。
実は男性原理だと、極論ですが、男性自身が性犯罪被害に遭っても、汚れた存在として扱われず、却って世間の荒波に揉まれた勲章として扱われる位の価値観が有りますから。
その手のハードボイルド的な小説・劇画の類のお約束の価値観です。
それが、マッチョ主義の価値判断です。
だから、性犯罪被害の救済を求める側の意見と自身がレイプされても勲章位にしか思わない側の意見では、かみ合わないのも当然です。
女性性犯罪被害者が性犯罪被害のみならず、傷物として、社会から排除され、被害者自身も「自己責任/己が過失」として、自身を延々と責め続ける事に成るのですから。
「痴漢冤罪で社会的に抹殺は不条理云々」と言う論陣を張る男性は当然「性犯罪被害者の女性への不条理な社会的抹殺」にも注意を払い、出来れば援護の論陣を張るのが筋でしょう。
社会的抹殺どころか、場合によっては性犯罪被害者の女性が「処分・処刑される国・地域」も少なくはないですが。
世界は支配する人間による非情で不条理な支配で成り立ってますが、その支配に服従し荷担するか、それとも不服従して、荷担しないかと言うそれだけの事です。