W杯出場に、浮かれている余裕はない。“赤モヒカンの元気印”槙野が、決死の覚悟を口にした。
「練習から少しでもアピールしようと思った。チャンスは待っていてもやってこない。自分でつかみ獲るものですから」
代表は初招集。赤く染めたモヒカン頭でアピールしたがキリン杯、ウズベク戦と3戦連続で出番はなかった。代表26人中、国際Aマッチに出場経験がないのは槙野だけ。生き残りに向け、この日はシュート練習に、ミニゲームにと人一倍ピッチを走り回った。
代表常連のDF闘莉王からも、「闘魂」を注入された。アーリークロスからのヘディングシュートでは、大先輩と決定数を勝負。「真の『DFW』を決めようと、闘莉王さんにもちかけられました」。『DFW』とは、FW並みの得点能力を誇るDFのこと。6ゴールずつで引き分けたが、昨季J1で11得点、代表通算4得点の闘将の実力を肌で感じ取った。
岡田監督は「ポジショニングとかまだ、なじんでいない。若いから慌てないでいい」と槙野を評しながらも、「攻守ともにポテンシャルを感じる」と期待する。闘莉王も「ハートの強い選手。まだまだ伸びるよ」と古巣・広島の後輩にエールを送った。
世界で勝ち抜くためには、センターバックの底上げは絶対条件。普段はムードメーカーに徹し、チームを盛り上げるモヒカン野郎が、その筆頭候補に名乗りをあげる。(伊藤昇)