政府税制調査会の運営をになう企画委員会は1日、租税特別措置(租特)の実態を明らかにするための「租特透明化法案」の骨格を固めた。焦点だった租特の恩恵を受ける企業名の公表は見送る。2日の全体会合に提案して合意したい考えだが、公表すべきだとの意見も根強い。
鳩山政権は、租特が不透明だとして抜本的に見直す方針。企画委は、民主党が野党時代に国会に提出した法案と同様に、企業名を公表して実態を明らかにすべきだとして議論してきた。ただ、企業側に不安が強く、「補助金でも支出先の企業名は明らかになっていない」との声が出て匿名扱いが妥当だと判断した。
法案骨子によると、租特で法人税を軽減されている企業に、租特の名称や適用額を記した「適用額明細書」の提出を義務づける。財務相は、租特ごとの適用件数や額などをまとめ、額が大きい企業分は匿名で個別額を公表する。
ただ、会合後の記者会見で渡辺周総務副大臣は「(透明化が)後退したイメージにならないようにしないといけない」と述べ、議論を続ける考えを示した。