人種差別根絶の象徴“監獄島”でFIFA理事会
国際サッカー連盟(FIFA)が3日、理事会を開いた南アフリカ・ケープタウン沖のロベン島はアパルトヘイト(人種隔離)時代、マンデラ前大統領やズマ現大統領ら3千人以上の政治囚が収容された「監獄島」だった。現在も当時の建物が残存する。
人種差別根絶との戦いを象徴する地だ。FIFAはサッカー界で深刻化している人種差別の撤廃運動に取り組んでおり、ブラッター会長は「きょうは特別な日だ」と感慨深げに話した。
ロベン島ではかつて、囚人らが看守の目を盗み、紙やぼろ切れを丸めてひもで結んだボールでサッカーに興じ、獄内の厳しい生活を紛らわせていた。1965年にサッカーをすることが認められ、69年には「マカナ・サッカー協会」が発足。ズマ大統領は主審を務めたこともあるという。FIFAは2007年7月に既に存在していなかった同協会を“名誉メンバー”として承認した経緯もある。
南ア組織委メンバーで、自身もかつてロベン島に収容された経験を持つトーキョー・セクスワレ氏は「われわれはここで自由のために闘った。昔は公平さと無縁だったこの地からフェアプレー精神の大事さを訴えたい」と話した。
(共同)