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仙台港、整備着々 自動車産業集積に対応
 | 自動車産業の集積を受け、物流機能の強化が進む仙台港=仙台市宮城野区 |
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宮城県大衡村に建設中のトヨタ自動車の車体生産子会社セントラル自動車(神奈川県相模原市)本社工場が、2011年1月に本格稼働するのに向けて、仙台港(仙台市宮城野区)で完成車を積み出す態勢整備が進んでいる。車を積み降ろしする際の一時保管場所「モータープール」の拡張工事は年末に本格化。大型船対応のため埠頭(ふとう)前の海底を掘り下げる工事は6月に始まった。宮城県は自動車産業のさらなる集積を見据え、港の機能強化を目指す。
モータープールとシャシー(車台)置き場を合わせた車の保管用地は現在10.4ヘクタール。プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、クリネックススタジアム宮城のグランド8個分に当たり4000台を保管できる。
宮城県はセントラル自動車新工場の本格稼働に備え、保管用地を10年秋までに16.0ヘクタールに拡張する計画。保管台数は7000台に増える。 雷神埠頭近くの「みなと公園」と、県仙台塩釜港港湾事務所敷地を転用しモータープールを整備。港湾事務所は仙台港国際ビジネスサポートセンター(アクセル)に移った。
拡張で関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)とセントラル自動車の年間生産約50万台に対応する。宮城県は09〜10年度に7億円を投じる。11年度以降は自動車の生産状況に応じ、埠頭周辺の事務所用地などを再編して整備。保管用地は20年ごろまでに現在の2.5倍に当たる26.1ヘクタールに広がり生産約70万台に対応する計画だ。 完成車の積み出し増加に備え、クレーン設備を使わずに積み降ろしできるRORO(ロールオン・ロールオフ)船と自動車運搬船の大型化への対応も進む。
国は6月、雷神埠頭前の海底を掘り下げ、水深を7.5メートルから9.0メートルにする工事を始めた。入港できる船は5000トン級から1万トン級になる。積み込める車はほぼ倍の1隻700〜800台に増える。10年秋に半分程度が完成する見込み。
仙台港は東北の自動車産業の物流拠点。関自工岩手工場は生産台数の9割以上に当たる完成車26万台(08年度)を名古屋に向けて積み出している。ほとんどのメーカーが東北各県向けの新車を荷揚げする。宮城県土木部は「埠頭のインフラ整備が仙台港の物流メリットを大きくする」と期待する。
2009年11月27日金曜日
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