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ペット、獣医に預け行方くらます…治療費未払い深刻化(2/2ページ)

2009年12月4日17時43分

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写真:動物病院「アニホス」の会計窓口。クレジットカードでの支払いもできる。未収金対策の一環だ=東京都板橋区、藤方写す動物病院「アニホス」の会計窓口。クレジットカードでの支払いもできる。未収金対策の一環だ=東京都板橋区、藤方写す

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 未収金の問題に詳しい青木ペットクリニック(福岡県大野城市)の青木芳秀獣医師によると、原因は(1)初めから支払う意思がない(2)経済的に支払う能力がない(3)治療や治療結果に不満、に大別できるが、最近は(1)のケースが目立っているという。

 青木獣医師は「未収金が全体の売り上げの5%を超えると、病院の存続が危ぶまれる事態になる」と話す。未収金被害の総額については「個人的見解」と断りながら、全国で治療費全体の2〜3%にあたる年間15億円ほどに及ぶのではないかとみている。

 こうした事態を受け、山村獣医師らが中心になり、08年3月、「日本獣医療問題研究会」(獣医師約120人)を設立。今年1月に都内で開かれた研究会では、青木獣医師が「未収金との戦い」と題して、現状と対策を報告した。費用や治療法の十分な事前説明のほか、クレジットカードの活用などが有効という。

 顧問の春日寛弁護士は、「ルールを守る意識の薄い飼い主が増えているのも要因」と分析する。ペットには人間のような健康保険制度がないため、治療費が数十万円になる場合もある。深刻化する不況で、治療費が払えない飼い主も今後、多くなると予想し、「動物病院側が費用の分割や、支払い猶予に応じざるを得ないケースも出てくる」と言う。(藤方聡)

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