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屋形船炎上!さあ急げ!!出動した消防艇…座礁

旧江戸川の船着き場で炎上する屋形船
旧江戸川の船着き場で炎上する屋形船
Photo By 共同

 東京都江戸川区江戸川3丁目の旧江戸川の船着き場で3日、遊船会社「あみ貞」所有の屋形船(36トン)から出火。全焼し、約3時間後に沈没した。船には誰も乗っておらず、ケガ人はなかった。失火の可能性があるとみられている。一方、火災現場に向かっていた東京消防庁の消防艇が江東区新木場の運河で座礁、燃料が漏れる事故を起こした。

 火災は午前3時半ごろ発生。屋形船(長さ約20メートル、90人乗り)は2日午後9時ごろまで東京湾を遊覧営業し37人の客をお台場で降ろした後、午後11時前に船着き場に戻った。船着き場周囲は高さ約2メートルのフェンスがあり、出入りできないよう施錠。侵入された痕跡はなかった。調理場のある船の後部付近が激しく燃えているのを近所の住民が見ており、警視庁小松川署は失火の可能性があるとみて原因を調べている。

 係留ロープが火災で燃え、船は炎上しながら川(幅約140メートル)の中央に向かって離岸。最終的に約100メートル流され約3時間後に沈んだ。

 現場には東京消防庁日本橋消防署浜町出張所所属の消防艇「はまかぜ」(9・7トン)が向かったが、午前4時10分ごろ、江東区新木場の砂町運河の若洲橋付近で撤去中の旧橋脚に乗り上げ座礁。船首から左舷下部にかけて損傷した。「燃料タンクから軽油が流出」との通報を受け東京海上保安部などが8隻を動員、油の除去作業に当たった。

 高圧のウオータージェットを噴出し推進力を得るタイプで水深の浅い水路でも強いとされるが、旧橋脚の上端は水面の上に出るほどの高さだった。燃料の最大積載量は約1000リットルで、約800リットルが流出したとみられる。乗り組んでいた消防署員4人にケガ人はなかった。「はまかぜ」は航行不能に陥り、台船で陸揚げされた。事故当時の速度は不明。天候は雨で、風速約5メートル、視界は約2キロ。火災現場まで、約10キロの地点だった。

 「はまかぜ」が到着しない火災現場では河岸から消防車で放水。船が離岸するにつれ消火は困難となり、警察関係者は「消防艇が来ていれば」と漏らした。

 東京消防庁では、管内の水面状況については実際に航行するなどして把握に努めているとしているが、若洲橋の旧橋脚撤去工事についての情報があったかどうかについては「調査中」としている。

 <消防失態アラカルト>

 ▼鎮火ミス 96年5月、千葉県市川市のマンション一室から出火。同市消防本部が50分後に鎮火を確認し、外に避難していた住民が部屋に戻ったが、別の部屋に延焼していて再び出火。消防車が現場に引き返し消火に当たった。

 ▼乗りすぎで横転 97年3月、静岡県韮山町で同町消防団第3分団のポンプ車が防火パレード後に詰め所に戻る途中、横転。現場は急な下り坂のS字カーブ。事故当時、定員10人に対し24人の団員が乗っていてカーブを曲がりきれなかった。

 ▼消防署でぼや 08年1月、奈良県桜井市消防署の車庫で整備係員らがポンプ車の整備点検をしていたところ、車のマフラーに直結させた排気用ダクトのゴム製チューブから出火。バックライトなどを焦がし、署員が5分後に鎮火。

 ◆消防艇「はまかぜ」 水難救助活動や船舶火災の消火活動が目的。アルミ合金製船体。高出力エンジンを搭載し、最高速度は35ノット(時速約64キロ)。放水銃は2基。スクリューを用いず後方に高圧のウオータージェットを噴出し推進力を得る。隅田川、荒川、中川、江戸川などの河川や運河などで主に運用。海上保安庁の巡視船、警察庁の高速警備艇などを多く手掛けている墨田川造船(東京都江東区)が建造。08年3月完成。

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