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【芸能・社会】

主演男優ショー桑田佳祐 今年は“ひとり国際映画祭”

2009年12月3日 紙面から

 サザンオールスターズの桑田佳祐(53)が2日、横浜市のパシフィコ横浜国立大ホールで、恒例の「Act Against AIDS(AAA)コンサート2009」の最終公演を行った。今年の公演タイトルは「映画音楽寅さん チャラン・ポランスキー監督・脚本・主演『男はしたいよ』」。大の映画好きの桑田が、特に感銘した映画音楽を厳選し、自身初となるフルオーケストラを導入したり、ワイヤで地上5メートルまで上昇するフライングにも初挑戦。全41曲を披露し、11月30日から3日間で約1万4000人を楽しませた。

 昨年が「ひとり紅白歌合戦」なら、今年は「ひとり国際映画祭」?! 通算11回目のパシフィコ公演は、銀幕の世界を表現した。

 オープニングでは、桑田が映画評論家の淀川長治さん(故人)ならぬ“道頓堀川長治”としてVTRで登場。独特のメークで、淀川さんの口調をマネしながら「チャラン・ポランスキー監督はまぁーセクシーで、まぁーかっこいい。『男はしたいよ』は構想10年です。10年かかって着工は2週間です」と、さっそく爆笑を誘った。

 桑田によるAAAのイベントは93年にスタートし、今年で17年目。桑田は「(イベントが続くという)状況としては良くないですが、みんなに会えるのはうれしいし、幸せです」としながらも、「もう来年ネタはありません。続ナントカってやるしかないね」と苦笑した。

 父親の久司さん(04年に他界)が茅ケ崎で映画館を経営していたことがあり、映画は桑田少年の大きな楽しみであり、音楽的な影響も受けただけに、思いはひとしおだ。ステージ後方に「ティファニーで朝食を」のヘプバーン、「卒業」のD・ホフマンらの懐かしい映像が流れ、桑田の歌声でたちまちタイムトリップ。しみじみ感動を呼び起こしたかと思えば、橋幸夫&吉永小百合のデュエット曲「いつでも夢を」では、桑田の相手にお笑いタレント渡辺直美(22)がサプライズ出演。大ウケする中、渡辺が持ちネタのビヨンセのモノマネも披露して笑わせた。また、「チム・チム・チェリー」では、主人公のポピンズになりきった原由子(52)が、キュートに歌ってアクセントをつけた。

 さらに、「007」シリーズのメドレーの際に、約30人のフルオーケストラが登場。桑田はダイナミックな編成に乗せた強烈な歌声で客席を圧倒、「愛のテーマ」の熱唱に盛大な拍手が送られた。そして本編最後の「雨に唄えば」ではジーン・ケリーが土砂降りの雨の中で歌い踊る名場面を再現し、ワイヤでつるされた桑田がステージ上空5メートルをフライングしてファンを驚かせた。

 アンコールの最後に、9日発売のソロシングル「君にサヨナラを」を初めてナマ披露。今年も笑いをまぶしつつ熱唱に次ぐ熱唱で、3時間近い圧巻ステージを終えた。

 ◆Act Against AIDS 日本のエンタメ業界の支援を受け、1993年からエイズの知識に関する啓発活動を展開する非政府組織(NGO)。12月1日の世界エイズデーには、全国各地でアーティストのボランティア参加による「AAAコンサート」が展開される。日本は先進国では唯一、HIV(エイズウィルス)の新規感染・患者数が毎年過去最高を更新しており、昨年は新規感染者が1567人。1日平均4・26人が感染していることになる。

 

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