社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は3日午前、党本部で開かれた党常任幹事会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先が現行計画通りの米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)で決着した場合の対応について「社民党としても、私としても、重大な決意をしなければならない」と述べ、連立政権からの離脱も辞さない考えを明らかにした。
常任幹事会後、記者会見した福島氏は「社民党にとって根幹にかかわる極めて重要な問題だ」と強調。その上で「11月17日に日米間の閣僚級会合が開かれて以降、急ピッチで現行合意が進むのではないかとの危機感を持っている」と述べた。
福島氏は党首選の告示を4日に控え、2日に4選へ向けた立候補を表明した。しかし、党内には福島氏に対し「普天間移設問題で党の主張を十分にしていない」との不満があり、沖縄選出の照屋寛徳衆院議員も立候補を検討。福島氏の踏み込んだ発言には「党首の強い意志を示すことで、照屋氏の出馬見送りを引き出す」(党幹部)狙いがある。【白戸圭一】
鳩山由紀夫首相は3日午前、社民党の福島党首が連立離脱の可能性を示唆したことについて「社民党が辺野古への移設に大変厳しい思いを持っていることは重く受け止めなければならない」と記者団に語った。同時に「外交交渉で相手がある話だからそこも大事にしなきゃいけない」とも述べ、社民党と米国のいずれの理解も得られる決着を目指す考えを強調した。
平野博文官房長官も同日午前の記者会見で「3党の連立を大切にしながら、その中での議論なしに結論を出すことにはならない」と述べ、改めて社民、国民新両党と協議する意向を示した。【横田愛】
毎日新聞 2009年12月3日 東京夕刊