民主党は25日、都道府県と政令指定都市の東京事務所の職員を党本部に集め、新たな陳情システムに関する合同説明会を初めて開いた。来年度予算編成作業が本格化するなか、党幹事長室と地方県連が窓口となる新方式に対する地方の関心は高く、約140人が参加。予算獲得のため「効果的な陳情」の糸口を見つけ出そうと、出席者からは具体的な陳情のやり方など質問が相次いだ。【白戸圭一、田辺一城】
「首長が直接、政務三役に会いたい場合はどうすればいいのか」
ある都道府県の職員は合同説明会で、政務三役への接触方法について質問。民主党側は地元県連の担当者にも伝えた上で、三役に面会を申し入れるよう求めた。大阪府東京事務所の幹部は説明会後、「民主党の地方県連は単なる陳情の取り次ぎではなく、地方の実情を踏まえて対応してほしい」と注文をつけた。
民主党の陳情システムは、まず自治体や各種団体の要望を地方県連を通じて党幹事長室に吸い上げる。その後、省庁別の担当副幹事長が精査し、大臣、副大臣ら「政務三役」に報告する仕組み。各省庁に直接陳情する自民党政権時代のやり方は「族議員と省庁の癒着を生む」として原則的に認めない。
民主党は25日、全国の地方議員も集め、陳情方式の説明会を開催した。あいさつに立った小沢一郎幹事長は、新陳情システムについて「地方県連を中心にいろんな要望を聞いていただき、より大きな影響力を行使できるようにしたい」と強調。地方県連の存在感向上のため、新方式を積極的に活用するよう呼び掛けた。
政権交代を実現したものの、民主党はなお脆弱(ぜいじゃく)な地方組織を抱える。高嶋良充参院幹事長は25日、地方議員との会合で「自民党に頼んでも(政務三役に)会えないから、みんな民主党に来る。(陳情を受ける際)『きちっと参院選やってくれますね』というのは当然のことだ」と語り、陳情受け入れは選挙対策の一環との見方をあけすけに語った。
毎日新聞 2009年11月25日 22時48分(最終更新 11月25日 23時32分)