ニセ劇団主宰・構成作家 丸二祐亮(まるにゆうすけ)
●笑うこと笑わないこと。
●人は何を笑うのか、何を笑わないのか。それは人によって違うが、舞台では、ある程度のルールがあるのだろう。
●今、ニセ劇団は、まさに公演中なのだが、ネタばれになってしまうが、出演者の西田夏奈子さんの「女神」というコントがある。
●まさにその女神は巨乳で、衣裳もマリリンモンローで、とにかく女神なのだった。そして、パンツも客に見せ放題なのである。女神自身がスカートめくってお客さんに見せ放題なのである。
●そのねたを本番五分前に、客席と舞台とを隔てているスクリーンの裏でチェックしていたときである。パンツを見せまくる動きを確認しているまさにそのときなのだった。
「西田さんが、本物のパンツなのだった」
●これはちょっと笑えない。断っておくが、僕と西田さんは、ずいぶん前からの役者仲間で、西田さんのパンツをみて僕が興奮してしまったという事実はない。ここまで断らなくてもいいか。西田さん失礼!興奮しなかったが、びっくりしたのだった。
●見せるパンツをはく予定だったのだった。それを西田さんは、ぜんぜんきづかずにバンバン本物のパンツを見せてくる。俺は演出家だ。西田さんにやんわりと注意すると、ものすごいスピードで楽屋に戻って着替えにいったのだった。
●本物のパンツはまさに笑えないのだ。これは、舞台の不思議なのだった。
●そんな、舞台ならではの不文律というものが存在するのだった。
●何故本物のパンツは笑えないのか。それは、ちょっとここではよしておこう。とても長くなる。それにしても、西田さんよ、僕に、感謝してほしいよ。
●ほかにもいろいろある。お客さんの事情というものもある。
●たとえば、客席が余りにクーラーが聞きすぎていた場合。それも、やはり笑いに影響することが多い。「寒い」そういう肌に感じすぎることで、感情が埋められている人の感情に「笑い」は侵入しにくいのだった。不思議と暑いほうが人は良く笑うのだ。これは余り理由がわからない。確かに、暖かい地方の人は良く笑っていそうだ。そしてよく怒りそうだ。東南アジアを旅行したことがあるが、ほとんどの人が眉間に深いしわがある。暑いというせいなのではないだろうか。暑いと人は眉間にしわがよるのだ。みんなものすごい顔で歩いている。そして関係ないけど声が大きい。暑い国は大変なのだ。日本も徐々に暑くなってきていて、セアカゴケグモまで出ている始末だ。眉間にしわがよる日も近い。
●たとえば、意味もわからず、開演が押した場合。これは、お客さんはとても不快だ。「なんだよ、待たせやがって」そんな方を笑わせるのは用意ではないのだ。最初から、優しい気持ちにさせてあげないとやはりお客さんは笑ってはくれない。いろいろ笑いはデリケートなのだった。何しろ笑いに来ているのだ。すんなりと笑わせてほしいのだ。
●笑いは、考えることが多いよ。それは宿命なのだ。なかなか人は笑わない。でも、人は笑いたい。だから、笑わせるのはハードルが高くなってしまうのだろう。
●笑って生きていたい。まさにそんなエネルギーで今回の舞台に向かっているのだった。
●泣きたいことが多すぎるよ。いつだって泣きたい。思いっきり泣けたらどんなにいいだろう。だからこそ、笑って暮らしていたいよ。
●そんなこんなでニセ劇団の公演は今週の日曜まで続くのです。お時間がありましたら足をお運びくださいまし。
[NICE JOURNAL]
http://www.nicegekidan.com