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【静岡】浜松市の耐震補強問題 請負業者の不正想定せず罰則なし2009年12月3日 浜松市の耐震補強補助金をめぐる不正工事問題で、市が定めている補助金交付の内規は、工事を請け負う業者による不正行為を想定していなかったことが分かった。この補助金「TOUKAI−0」は東海地震に備えて木造住宅の耐震化を急ぐ事業で、市は工事完了検査を業者提出の写真の確認で済ませていたが、制度設計の不備も浮き彫りになった。 市によると、施工業者の藤咲工務店(浜松市中区萩丘)は施主の補助金申請を代行する一方、申請通りに補強せずに虚偽の完了写真を提出していた。 市の補助金交付規則やTOUKAI−0要綱では、補助事業者の施主に対し、交付決定や交付取り消し、補助金返還の規定を設けている。しかし、請負業者についての義務やペナルティーなどは明記されていない。 市は今回の不正工事を確認後、事態を重く見て業者名を公表したが、担当者は「業者の不正は想定していなかった。一生懸命やってくれている認識でいたが、それが覆された」と話している。 工務店代表『不正の認識あった』藤咲工務店の近藤秀樹代表(39)は2日、本紙の電話取材に対し「不正なことをしているという認識はあった」と語った。 ただ、「今後について市からの連絡を待っている。個別のことを話す段階ではない」とも話し、不正工事に至った経緯など詳細への言及を避けた。 市が問題を発表した先月26日以降、市から連絡がないといい「どういう判断が出て、どういう償いをしなくてはいけないのか、早く知りたい」とも語った。
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