診療報酬改定の基本方針固まる−社保審医療部会
厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会(社保審)の医療部会(部会長=齋藤英彦・名古屋セントラル病院長)は12月3日、来年度に実施する診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承した。昨年度に実施した前回の報酬改定で対応を図った「医師不足」などの問題は、「必ずしも解消しておらず、我が国の医療は危機的な状況におかれている」と指摘。重点課題として「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担の軽減」を挙げている。ただ、基本認識として医療費全体の底上げの必要性を指摘する表現を強調すべきだとの意見が委員から続出。今後、修正する方向で齋藤部会長に一任された。
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来年度報酬改定の基本方針は、社保審の医療保険部会も11月25日に大筋で厚労省案を了承しており、近く両部会連名での正式な答申書をまとめる。
来年度報酬改定の重点課題のうち、救急や産科、小児、外科などの医療の再建策には、▽地域連携による救急患者の受け入れの推進▽小児や妊産婦を含め救急患者を受け入れる医療機関に対する評価▽新生児などの救急搬送を担う医師の活動の評価▽急性期後の受け皿としての後方病床・在宅療養の機能強化▽手術の適正評価−を列挙。一方で、勤務医の負担を軽減するため、看護師や薬剤師といった医師以外の医療職だけでなく、看護補助者など医療職以外の役割への評価や医療クラークの配置促進なども評価を検討する方向を示した。
また、重点課題以外に「充実が求められる領域」として、がんや認知症医療、新型インフルエンザなど感染症対策、肝炎対策の推進のほか、精神科入院医療や歯科医療を列挙。一方、昨年度に創設した後期高齢者医療制度の廃止に合わせ、75歳以上を想定した診療報酬体系については廃止や年齢区分の見直しを検討するよう促している。
社保審の基本方針は、診療報酬改定の点数配分を決める上での基本的な方向性を示すもの。両部会による基本方針が固まったことを受け、来年度の報酬改定に向けた焦点は、内閣が年末に決定する改定率に移る。
年明け以降は、中央社会保険医療協議会(中医協)が厚労相の諮問を受け、基本方針と改定率に沿って具体的な点数配分を議論する。
更新:2009/12/03 19:50 キャリアブレイン
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