金塊１０本、腰に巻き…韓国籍女性、密輸未遂で起訴

　金相場が急騰するなか、韓国から金塊を密輸しようとしたとして、大阪府警と大阪税関は２日、韓国籍の尹娟熙（ユン・ヨンヒ）容疑者（２４）を関税法違反（無許可輸入未遂）の疑いで逮捕、告発した、と発表した。大阪地検堺支部はすでに、同法違反と消費税法違反（脱税）の罪で起訴している。

　関西空港署と関西空港税関支署などによると、尹容疑者は１０月２２日、韓国から関西空港に到着した際、着用したコルセットの中に金塊１０本（計約１０キロ、鑑定価格約３千万円）を隠して税関に申告せず、消費税１５０万円を脱税した疑いがある。尹容疑者は「報酬５０万ウォン（５万円）で頼まれた」と容疑を認めているという。

　１０月上旬からの渡航回数が計７回と多く、滞在日数が１泊か日帰りと少ないことを不審に思った税関職員が見つけた。尹容疑者は「６回の渡航で他に計３６キロの金を密輸した」と供述しているという。

　金の輸入に関税はかからないが、消費税５％が課税される。大阪税関は金が高騰するなか、消費税を脱税することで、売買の利幅を増やす狙いがあったとみている。

　１日のニューヨーク商業取引所の金相場は１トロイオンス当たり１２００ドルを超えて史上最高値を更新。金販売最大手の田中貴金属ジュエリー（東京）によると、ドル建てでは９９年の５倍近くになっているという。