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【2009年11月30日(月)朝刊】より



   ■ WBC・内藤王座陥落…王者のファイト最後まで

 非情な新チャンピオン誕生のアナウンスが流れた。さいたまスーパーアリーナで29日行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチは、6度目の防衛に臨んだ内藤大助選手(35)=宮田ジム=が、挑戦者の亀田興毅選手(23)に判定で敗れた。王者らしい闘志あふれるファイトで会場を沸かせたが、2年間守ってきたベルトは奪われた。内藤選手の地元豊浦から駆け付けた大応援団は最後まで王者を後押しし続けた。

 過去5度の防衛を果たしてきた王者は冷静だった。試合直前の調印式や計量で挑発を繰り返す挑戦者を完全無視して、自分のペースを貫いた。一転、この日はゴングが鳴るや、目をそらすことなく真っ向からパンチを浴びせた。

 経験に裏打ちされたコンビネーションによる、必殺のフックが亀田選手の顔面をヒット。アウトスタイルで間合いを取ろうとする挑戦者にスキを与えなかった。

 王者優勢に見えたが、4、8回の採点はいずれも挑戦者優位のアナウンス。内藤選手は手を緩めることなく強烈なフックを見舞った。しかし因縁の相手をキャンバスに沈めることはできなかった。

 2万人の観衆で膨れあがった会場は、試合前から異様な熱気に包まれた。今回も地元・豊浦後援会(工藤敏和会長)が応援ツアーを敢行。約60人の参加者はじめ、東京豊浦会や合流組を含め150人規模の態勢を敷き、赤コーナーの王者サイドに陣取った。応援席には小中学生が製作した横断幕やのぼり、大漁旗を高々と掲げ声援を送った。

 判定結果を告げるアナウンスを聞いた母・道子さんは「ごくろうさん。全般的に見ると王者有利のように見えたが。8ラウンド辺りから少し嫌な気がしたがこれが結果」と淡々。無名時代から支え続けた真弓夫人は「悪かったようには見えなかったけど結果は仕方ない。お疲れさまと言いたい」と気丈に振り返った。

 豊浦町の先頭に立って応援してきた工藤国夫町長は「内容で勝って勝負に負けた。すっきりしないが、いつか負けるときは来る。大助が続ける限り、応援も続けたい」と健闘をたたえる。後援会の工藤会長は「判定には不満が残るが、最後まで王者らしいボクシングを見せてくれた。ありがとう」と結果を素直に受け止めていた。
(菅原啓)


◆―― 豊浦町民100人が大声援

 内藤大助選手の故郷・豊浦町では29日、地域交流センター「とわにー」で応援会が開かれ、町民ら約100人が大型スクリーンに映る“郷土のスター”に大きな声援を送った。判定負けに、会場は“残念”なムードに包まれるものの「元気をもらいました」と健闘をたたえていた。

 亀田興毅選手との注目の一戦。集まったファンは「必勝うちわ」を握り締め、太鼓の音に合わせて「ナ・イ・トー」コール。鋭いパンチが挑戦者の顔面やボディーにヒットすると「いいぞ、その調子」と会場は盛り上がった。

 12ラウンドを終え判定負けとなったが、「良くやった」「ありがとう」などと温かい拍手で沸いた。太鼓をたたいて応援をリードした敦賀貴也さん(22)=会社員=は「悔しいけれど、いい勝負だった。元気をもらいました」と笑顔。荒康夫副町長は「歴史に残る勝負だった。正月には豊浦に帰って、ゆっくりしてほしい」と話していた。
(小林正律)


◆―― 「結果がすべて」

 WBCフライ級タイトルマッチで判定負けを喫した王者・内藤大助選手(宮田ジム)は試合後の会見で「結果がすべて。彼の方が強かったということ。情けない」と、赤くはれ上がった顔で悔しさをにじませた。

 まさかの大差の判定負けに、会見場では記者からの質問が淡々と続いた。「とにかくプロですから、お客さんを喜ばせる試合がしたかった。応援してくれた人たちの期待に応えられなかった」とまずファンのことを思ったことを明かした。

 「自分の距離が念頭にあった」と語った亀田選手の印象については「想像以上に上手だったということ。いろいろなことを想定していましたが、(結果を出せなかったのは)分からない」と話し、判定については「結構離れたな、と思う。でもジャッジが決めたこと」と潔く受け止めた。

 真弓夫人には試合後控え室で「負けちゃった、ごめんねと言った。いつも通りお疲れさまと返してくれた」という。今後の去就については「まったく考えていないです。ゆっくり考えます」と話した。
(粟島暁浩)





   ■ 室蘭でウインターコンサート、練習の成果を披露

 ピアノやエレクトーンなどによる発表会「Winter Concert2009」が29日、室蘭市民会館で行われ、幼稚園児から大学生、一般までの約50人が練習の成果を存分に披露した。

 吉川真紀さん、山本友紀子さん、北川真理さんが指導する音楽教室に通う門下生の合同発表会。第1部がソロ、第2部がアンサンブルと趣向を凝らしたステージで会場を魅了した。

 クラシックを美しいピアノの旋律で奏でたり、ポップミュージックをエレクトーンとピアノの演奏で歌ったりと、華やかなステージが繰り広げられた。かわいらしい衣装に身を包んだ子供たちの演奏に、会場で見守る家族は心で応援しながら、演奏が終わると大きな拍手を送っていた。
(石川昌希)





   ■ 生演奏たっぷり―室蘭・FMびゅー出演者が初ライブ

 モルエ中島ショッピングセンターとコミュニティーFM局「FMびゅー」共催のモルエ音楽会が29日、室蘭市中島本町の同センターイベントスペースで開かれ、サウザンドパワー(中居力さん、千文さん夫妻)など地元ミュージシャンのライブが買い物客らを楽しませた。

 FMびゅーで番組を持つミュージシャンの出演で初めて開催。サウザンドパワーのオカリナライブで幕を開けし、「シチリアーナ」や「アルハンブラの思い出」など郷愁を誘う7曲が聴衆の心を和ませた。続いてkanzy(カンジー)さんが「室蘭ホンキートンク・ブルース」「感謝」などオリジナルを含むブルース5曲を演奏。味わいのあるギターの弾き語りが、軽妙なトークとともに披露された。

 最後はサウザンドパワーとkanzyさん、FMびゅー代表の沼田勇也さんがスペシャルセッションライブ。FMびゅーリスナーとフォークグループ「ふきのとう」の山本康世さんとで作った室蘭応援ソング「新しい風が吹く〜Muroran」をにぎやかに演奏し、聴衆も曲を口ずさんで心を一つに盛り上がった。

 演奏の合間には、司会の澤田正寛さん、中村祥子さんが同センターの「お買い物情報」を紹介。各店舗の売り上げ増に貢献していた。
(山田晃司)





   ■ 新型インフル余波…室蘭の小学校で異例の冬休み短縮

 新型インフルエンザの集団感染により学級・学年・学校閉鎖が相次いでいることから、室蘭市内の各校では標準授業時数を下回る事態が続いている。授業時数確保の対応として室蘭市白鳥台小は5、6年生の“冬休み短縮”を決めた。室蘭市教委は「異例のケース」としている。

 白鳥台小は5、6年生が学年・学校閉鎖で計7日間の臨時休暇となったため、35時間ずつの欠時数が発生。両学年は1年間で定められた授業数(標準授業時数)である980時間の確保に向け、始業式前の2日間登校し、4時間ずつの授業を受ける。終業式、始業式は予定通りの日程で実施する。

 同校は「子供たちの疲労度や放課後活動の確保から、毎日6時間ずつに時数を増やすのは難しい」などと説明。各校でも週の授業時数配当や行事実施、振り替え休日などを工夫し、授業時数の確保を目指している。
(横山郁美)





   ■ 登別市民の善意続々と、アフリカ難民支援の衣料品

 のぼりべつ国際交流会と登別市のアフリカ難民を支援する衣料などの受け付けが29日、市内3カ所で行われ、多くの市民から善意が持ち込まれた。

 約15年前から続いており、昨年は北海道洞爺湖サミットのテーマの一つだったアフリカ支援の関連事業として実施、223箱分の衣料品が寄せられた。今年はアフターサミット事業に位置付け、市民会館、鷲別公民館、婦人センターの3カ所で受け付けた。

 各施設には洗濯済みの毛布やタオルケット、シーツ、衣類などが段ボール箱に詰められて続々と届けられ、1箱500円の送料負担とともに預けられた。荷物は兵庫県神戸市の日本救急衣料センターで集約し、現地に送られる。
(高橋紀匠)





   ■ 一足早く聖夜ムード、伊達でクリスマスコンサート

 伊達と登別の音楽家でつくる「mignon(ミニョン)」(加藤亮子代表)のクリスマスコンサートが29日、伊達市梅本町の伊達信用金庫コスモスホールで開かれ、市民ら約130人が心温まるメロディーに耳を傾けた。

 2年ぶり6回目の今回はピアノ、エレクトーン、声楽を専門とする4人が出演。「ラプソディ・イン・ブルー」「ピアノソナタ第8番『悲愴』第2楽章」「手紙〜拝啓十五の君へ」など13曲をピアノの連弾や独唱、ピアノとエレクトーンのアンサンブルで披露した。

 来場者は、曲が終了するごとに大きな拍手を送り、一足早い“クリスマスプレゼント”にお返し。「赤鼻のトナカイ」や「さやかに星はきらめき」の歌声が流れると、うっとりした様子で聴き入り、聖夜のムードに浸っていた。
(小林正律)





   ■ 白老でつがる市大収穫祭、姉妹都市の特産品人気

 白老町の姉妹都市、青森県つがる市の味を集めた「つがる市特産品大収穫祭2009」(つがる市姉妹都市協会主催)が29日、しらおい創造空間・蔵で開かれ、リンゴなどを求める人たちでにぎわった。

 つがる市合併前の旧森田村が2年間取り組んできた交流促進事業の一環。今回で通算7回目となり、同姉妹都市協会や同市物産協会、JA関係者ら20人が来町した。

 午前10時に始まった大収穫祭では、毎年人気を集めるリンゴ「サンふじ特A」はじめジュースやゴボウ、漬物など30品目を超える特産品を安価で提供。地場産米「つがるロマン」やニンニクが人気を集めたほか、サンふじ特Aは15分ほどで350箱が売り切れる盛況ぶりだった。
(伊藤洋志)





   ■ 浦河町長選で池田氏が初当選、高城氏を破る

 任期満了に伴う浦河町長選挙は29日、投開票された。新人で元町教委管理課長、池田拓氏(58)=無所属=が、新人で前副町長の高城繁幸氏(58)=同=を破り初当選を果たした。

 池田氏4931票、高城氏4071票(選管終了)。選挙の投票率は77・03%で、4年前の同選挙を3・13ポイント下回った。

 前回選挙と2度目の立候補となった池田氏は、今期限りで勇退する谷川町政の屋台骨を背負ってきた高城氏に対し「あえる問題などで生じた町政への不信から町民の信頼を取り戻したい。負ければ『あえる問題』を含め全てが容認したことになる」と町政の変革を求め支持を訴えてきた。

 町内のホテルの池田陣営に午後10時すぎに当確の一報が入ると、集まった大勢の支持者から大きな拍手と「やったぞ」の声が飛んだ。池田氏は「きょうの勝利は私一人の勝利ではなく、浦河の未来を考えている皆さん一人一人の勝利と考えています」と抱負を熱く語った。
(坂本佳紀)






【2009年11月30日(月)夕刊】より


   ■ 室蘭で道文化財保護功労賞・駒木さんの受賞祝賀会

 北海道文化財保護功労賞を受けた室蘭の郷土史研究家、駒木佐助さん(79)=母恋南町=の受賞祝賀会が28日夜、中央町の室蘭プリンスホテルで開かれた。

 式典は室蘭文学館の会の斉藤日方子会長ら有志が企画、室蘭の文化人約50人が出席した。斉藤会長が「皆に親しまれるダンディーさを失わず、今後も活躍を」とあいさつした。

 駒木さんは保護活動などを振り返り「文化財はそこに住む人たちが支えてきたもの。地域を代表しての受賞と受け止めている」と語った。

 室蘭地方史研究会会長や室蘭南部陣屋史跡の会副会長を務める。明治開拓期の添田家文書を市文化財指定に導いたほか、旧室蘭駅舎の有形文化財登録などへの取り組みが評価された。
(鞠子理人)



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