NHKの福地新会長がきょう就任し、職員に「NHKはがけっぷちに立っている」と訓示したそうだ。たしかに今度の事件は深刻だが、彼はNHKがどんながけっぷちに立っているかご存じだろうか。
これまでにもNHKは、何度もがけっぷちに立ってきた。最初は1990年ごろ、島会長が赤字財政を立て直そうとしたときだ。彼は報道をグローバルな24時間ニュースにする一方、番組制作局をプロダクションとして切り離し、ラジオ第2放送や教育テレビや衛星第2を廃止して「ビデオ販売に切り替える」と言っていた。今でいえば、ネット配信だ。
動きの激しい多メディア時代には、経営に国会承認が必要な公共放送では競争に勝てないので、NHK本体にはニュースと送出機能だけを残し、実質的な制作部門はMICO(国際メディア・コーポレーション)が中枢となり、世界の番組を輸入するとともに世界にNHKの番組を売る、というのが島の構想だった。いま思えば大風呂敷にすぎた面もあるが、福地氏には当時の経営戦略(NHKにまだ残っているだろう)を読んでみることをおすすめしたい。
しかし島に左遷された海老沢氏が、1991年にクーデターを起し、島とともに改革派を一掃してしまった。海老沢氏とその子分は、メディア戦略どころかテレビも知らない派閥記者で、ここからNHKの「失われた13年」が始まった。デジタル放送も、海老沢氏が技術陣のいいなりで始め、最初は「デジタルの伝道師」などと気取っていたが、やってみて失敗に気づいた。
今回の事件の示しているNHKの最大の問題は、情報システムまで含めて、技術がNHKのテレビ技術者に丸投げになっていることだ。彼らは個人的には優秀だが、その発想は20年前のIBMのメインフレーム技術者や10年前のNTTの「交換屋」の人々と同じで、レガシーシステムをいかに延命するか、という角度からしかものを考えない。それがISDB-Tからコピーワンスに至る混乱した戦略の原因だ。
私が9年前にNHKの技研に職員研修にまねかれたとき、「これからはすべてIPになるから、地上デジタル放送なんかやめるべきだ」といったら、質疑で出てきたのは「論理的には同感だが、どうすれば軌道修正できると思うか」「プラットフォームはむしろXMLになるのではないか」といった的確なものが多かった。当時の技研の所長も次長も「IPに対応しないと、われわれの食い扶持もなくなる」と言っていた。
ところが技術陣の本流は研究所ではなく、技術本部で調達や運用を行なっている人々だ。彼らは「放送ゼネコン」と癒着し、I通信機を初めとする調達先に大量に天下り、そこに開発させた機材を民生用の10倍ぐらいの価格で随意契約することで利権を温存している。まず、この利権構造にメスを入れる必要がある。技研も、民間に売却すべきだ。研究所をもっている放送局なんか、他の国にはない。
今度のお粗末なセキュリティも、そこから派生した問題である。私のいたころは局内に5社・6系統のコンピュータ・ネットワークがあり、たびたび「システム統合委員会」が開かれた。私も呼ばれたが、必ずITゼネコンの講師が出てきて「統合するなら当社のシステムで」とやり、それぞれに技術陣の応援団がついていたため、2年間に20回ぐらい会議をやっただけで何も結論は出なかった。
NCシステムで、いまだに20年前と同じメインフレームを使っているのには驚いたが、おそらく他のシステムもそう変わっていないだろう。「ネット配信」のセンターになるはずの川口のアーカイブのサーバに入っているのは、ベータマックス(!)の試写用映像だけで、それを東京からオンラインで見て資料請求すると、テープをトラックで運ぶ。60万本の資料テープの90%以上は、データ化もされていない。こんな石器時代みたいなシステムで、ネット配信なんかできっこない。
福地会長は、まず現在の理事を総辞職させ、外部からインターネットのわかる理事をまねくとともにCIOを設け、局内のシステムを報道・編成・資料・経理まですべてイントラネットに統合すべきだ。ついでに送出もIPに統合すれば、地デジもいらなくなる。だいたい地デジのストリームもIP over WDMで局間伝送しているのだから、それを電波に変換しないで、そのままDSLやFTTHに流せばいいのだ。
2011年にアナログを停波して地デジに移行できると思っている職員は、私の知るかぎり1人もいない。むしろ彼らが恐れているのは、もう1080iが最新技術ではないということだ。「フルハイビジョン」の液晶モニターで見ると、MPEG特有のツブレがはっきり見えて、アナログより汚ない。ハリウッドが(マスター画質である)1080pでネット配信を始めたら、地デジの唯一のセールスポイントである「高画質」も売り物にならない。
今からでも遅くない。UHF帯はすべて政府に返納し、コーデックをH.264に変更してVHF帯のガードバンドで地デジをやれば、中継局も視聴者のアンテナも今のままでデジタル化できる。今までに売れた受信機にはH.264のチューナーを配布すればよい。UHFの中継局を全国に建てるコストよりはるかに安い。
・・・という文章が理解できる理事も、おそらく1~2人しかいないだろう。賛成であれ反対であれ、この記事がわからないような職員は、たとえ「文科系」だろうと理事にしてはいけない。今回は、これまでのボタンの掛け違えをリセットし、古い約束を破る最後のチャンスである。
これまでにもNHKは、何度もがけっぷちに立ってきた。最初は1990年ごろ、島会長が赤字財政を立て直そうとしたときだ。彼は報道をグローバルな24時間ニュースにする一方、番組制作局をプロダクションとして切り離し、ラジオ第2放送や教育テレビや衛星第2を廃止して「ビデオ販売に切り替える」と言っていた。今でいえば、ネット配信だ。
動きの激しい多メディア時代には、経営に国会承認が必要な公共放送では競争に勝てないので、NHK本体にはニュースと送出機能だけを残し、実質的な制作部門はMICO(国際メディア・コーポレーション)が中枢となり、世界の番組を輸入するとともに世界にNHKの番組を売る、というのが島の構想だった。いま思えば大風呂敷にすぎた面もあるが、福地氏には当時の経営戦略(NHKにまだ残っているだろう)を読んでみることをおすすめしたい。
しかし島に左遷された海老沢氏が、1991年にクーデターを起し、島とともに改革派を一掃してしまった。海老沢氏とその子分は、メディア戦略どころかテレビも知らない派閥記者で、ここからNHKの「失われた13年」が始まった。デジタル放送も、海老沢氏が技術陣のいいなりで始め、最初は「デジタルの伝道師」などと気取っていたが、やってみて失敗に気づいた。
今回の事件の示しているNHKの最大の問題は、情報システムまで含めて、技術がNHKのテレビ技術者に丸投げになっていることだ。彼らは個人的には優秀だが、その発想は20年前のIBMのメインフレーム技術者や10年前のNTTの「交換屋」の人々と同じで、レガシーシステムをいかに延命するか、という角度からしかものを考えない。それがISDB-Tからコピーワンスに至る混乱した戦略の原因だ。
私が9年前にNHKの技研に職員研修にまねかれたとき、「これからはすべてIPになるから、地上デジタル放送なんかやめるべきだ」といったら、質疑で出てきたのは「論理的には同感だが、どうすれば軌道修正できると思うか」「プラットフォームはむしろXMLになるのではないか」といった的確なものが多かった。当時の技研の所長も次長も「IPに対応しないと、われわれの食い扶持もなくなる」と言っていた。
ところが技術陣の本流は研究所ではなく、技術本部で調達や運用を行なっている人々だ。彼らは「放送ゼネコン」と癒着し、I通信機を初めとする調達先に大量に天下り、そこに開発させた機材を民生用の10倍ぐらいの価格で随意契約することで利権を温存している。まず、この利権構造にメスを入れる必要がある。技研も、民間に売却すべきだ。研究所をもっている放送局なんか、他の国にはない。
今度のお粗末なセキュリティも、そこから派生した問題である。私のいたころは局内に5社・6系統のコンピュータ・ネットワークがあり、たびたび「システム統合委員会」が開かれた。私も呼ばれたが、必ずITゼネコンの講師が出てきて「統合するなら当社のシステムで」とやり、それぞれに技術陣の応援団がついていたため、2年間に20回ぐらい会議をやっただけで何も結論は出なかった。
NCシステムで、いまだに20年前と同じメインフレームを使っているのには驚いたが、おそらく他のシステムもそう変わっていないだろう。「ネット配信」のセンターになるはずの川口のアーカイブのサーバに入っているのは、ベータマックス(!)の試写用映像だけで、それを東京からオンラインで見て資料請求すると、テープをトラックで運ぶ。60万本の資料テープの90%以上は、データ化もされていない。こんな石器時代みたいなシステムで、ネット配信なんかできっこない。
福地会長は、まず現在の理事を総辞職させ、外部からインターネットのわかる理事をまねくとともにCIOを設け、局内のシステムを報道・編成・資料・経理まですべてイントラネットに統合すべきだ。ついでに送出もIPに統合すれば、地デジもいらなくなる。だいたい地デジのストリームもIP over WDMで局間伝送しているのだから、それを電波に変換しないで、そのままDSLやFTTHに流せばいいのだ。
2011年にアナログを停波して地デジに移行できると思っている職員は、私の知るかぎり1人もいない。むしろ彼らが恐れているのは、もう1080iが最新技術ではないということだ。「フルハイビジョン」の液晶モニターで見ると、MPEG特有のツブレがはっきり見えて、アナログより汚ない。ハリウッドが(マスター画質である)1080pでネット配信を始めたら、地デジの唯一のセールスポイントである「高画質」も売り物にならない。
今からでも遅くない。UHF帯はすべて政府に返納し、コーデックをH.264に変更してVHF帯のガードバンドで地デジをやれば、中継局も視聴者のアンテナも今のままでデジタル化できる。今までに売れた受信機にはH.264のチューナーを配布すればよい。UHFの中継局を全国に建てるコストよりはるかに安い。
・・・という文章が理解できる理事も、おそらく1~2人しかいないだろう。賛成であれ反対であれ、この記事がわからないような職員は、たとえ「文科系」だろうと理事にしてはいけない。今回は、これまでのボタンの掛け違えをリセットし、古い約束を破る最後のチャンスである。
コメント一覧
分水嶺
ヨークコムやバイドゥが出てきた現在、NHK含めた日本のTV局にとってここ数年が変われるかどうかのラストチャンスだと思います。民放もそうですがNHKオンラインのサイトにまともな掲示板もTBもないなんて他の先進国では考えられないことです。
地方局を統合すべき
経営的に考えれば、NHKがまずやるべきことは、池田さんが以前言っていたように、地方局の統合でしょう。いくつかの地方局を統合して集約化をはかれば、受信料をもっと安くできるのでは?
新会長にはそちらの方を期待するしかありません。
研究所をもっている放送局
BBCがBBC Researchを持っているから、NHKも研究所を維持するのでは?
http://www.bbc.co.uk/rd/index.shtml
ちゃんと読め
これはBBC内部の「研究部門」のこと。行ってみればわかるけど、スタッフも技研の1割ぐらいしかいないし、機材の研究なんかしてません。
無駄を整理
電話網はこの先も維持するだろうし情報と通信も法律を一本化しようとしている今、
IP放送に切り替える手段としてNTTとの積極的な業務提携は如何か。
敷居は高いですが元国営と公共放送なら経営的な相性も良いのでは無いでしょうか?
メーカー?
メーカーでもないのになんでNHKが機材の研究をしなきやいけないのかさっぱりわかりません。機材メーカーにとっても相当怖いユーザーだったのではないでしょうか?
NHKは民営化!
島氏についてはマスコミでずいぶん叩かれてたのでいいイメージが無かったのですが、今、見直してみると時代を先取りしてた人だったんですね。
ま、それはともかく、NHKについては、民営化すべきと思います。それしか健全化する方法はないでしょう。福田首相では無理でしょうが。
NHKの研究所
漫才マイクで有名なC-38の前身、C-37なんかはソニーとNHKの共同開発なんですよ。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/1-08.html
そこに出てくる中島さんはスピーカの神様としてソニーでも活躍しましたし、CDを立ち上げた功績もありますね。
NHKは機器開発の他に脳や心理や画像解析の研究もやっていて、福島さんのネオコグニトロンが有名でした。理研や阪大の基礎工ともつながりがあって、日本の脳科学の発展に随分貢献したと思います。
最新コーデックに対応
>受信機にはH.264のチューナーを配布すればよい
この受信機に外部から最新のプログラムを読み込むようにしておけば、いつでも最新のコーデックに対応できるかなと思います(せっかくのデジタルですし)。確か大昔に地球を飛び立ったNASAの惑星探査機も、最新技術に対応できるようにソフトウェアの書き替えが可能になっていたはずです。
日本が消える
ごたごたしている間に、さらに先に時代が進んでそうです。かつてキッシンジャーが日本は(ほぼ確実な次世代の)変化に15年遅れると言っていたそうですが。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080120-02-1301.html
20世紀は(非欧米という意味で)日本の時代でしたが、21世紀は、消える日本ですね。重厚長大産業を簡単に越える企業群が現れているのに、未だ高速道路で揉めている。そんな時代は少なくともバブルの後始末で終わっている議論なのに。
>60万本の資料テープの99%は、データ化もされていない。
本のデジタル化をグーグルがしている意味を教えてあげたいですね。著作権もそうですが死蔵されているんですよね。
特注が多いのはやはり袖の下?とシステムがわからない者が決定者なのですかな。
銀行のコンピュータは全て特注だが、中身の80%位は同じと聞いた事があります。残りの20%に高い値段を払っていると。金融機関ならやっていることは変わらないので同じになるなあと思ったものです。銀行再編でコンピュータメーカーの金融部隊の生き残りも大変。
改革者という独裁者が現れる素地が出来ている気がします。子供(若い世代の意)に聞いたら尊敬する人はヒトラーだという話もあります。
Bellhead
かつてインターネットに抵抗して電話交換機に固執した人々はBellheadと呼ばれましたが、今は滅亡しました。メインフレームも、市場で淘汰されました。しかしテレビ業界のBellheadだけは、電波利権という参入障壁に守られて、ISDNが消滅する時代にISDB-Tなる技術を国民に強制するのです。
まず今の470~770MHzというテレビ局への電波の配分を見直し、彼らを競争原理にさらさなければならない。
NTTは元国営でないですよ。
Re: 無駄を整理 (てっかん) さんへ
NTTの前身は電電公社であり,元国営ではありません。ただ,NTT研究所も依然として【交換屋】がはびこり,同社の他の研究所と 他企業の開発部門を莫大な資金力で支配います。電子交換機など,相変わらず大手電器企業と闇カルテルを組んでいます。
********************
池田先生へ
MPEG2が現状ですが,10年以上前からさらに圧縮したMPEG4とざらつき画像を抑えた改良コーデックが開発されています。
IP over ** は確かに有望ですが,みんなが同時に利用すると回線が輻輳しないかが不安です。
個人的にはIP over FTTH と通常のTVのVHF/UHF の併用とラジオが,緊急災害時に有効だと思いますが如何ですか?停電すれば,FTTHではIPは使えません。
的確なコメントをお待ちしています。
P.S.:NHK技研は,ソニーの製品が多いですね。基礎技術はソニーに依存してのでしょうか?
Re: NTTは元国営でないですよ。
電電公社は、法律にもとづいて電話料金を独占的に徴収する国営企業でした。
放送だけなら、CSの通信用中継器を使ってIP放送(DVB-IP)するのがもっとも効率的です。地上波でも、VHF帯のガードバンドを使ってDVB-IPで放送しようというラジオ局などのグループがありますが、テレビ局は「ガードバンドも自分たちの帯域だ」と主張して、ISDB-T(ワンセグ)に使おうとしています。こういう問題も、水面下の「懇談会」で一本化調整するのはやめ、公の場で討論会をやるべきです。
スーパーハイビジョン
> もう1080iが最新技術ではない
「官民共同で次世代ハイビジョン開発、2015年放送目指す」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080114it02.htm
という流れになっているようですよ。どこまで本気の話かよく知りませんが、常識的に考えたら、50インチの画面でも近付かないとよく分からないようなディテールが、放送用のニーズにあるのか非常に疑問ではありますが。1080iのニーズですら20-30年かかって現在の程度ですし・・・
Re: スーパーハイビジョン
>50インチの画面でも近付かないとよく分からない
いや、逆に液晶の解像度が上がって、かえってコーデックのあらが見えるのです。先日、テレビ朝日に行ったとき、ショールームで50インチぐらいの「フルハイビジョン」のAQUOSを見て、その映像の汚なさに驚きました。極厚メイクの片山さつき氏の鼻筋に当たったライトが白くつぶれて、2mぐらい離れても、白線を引いたように見える。これなら、わが家の10年前のテレビのほうがきれいです。
これは1080iの問題というよりMPEG-2の問題でしょうが、どっちにしても今のコーデックは業界関係者が信じているような「最終解」にはなりえない。また1080pは映画館のフィルムを代替できるので、市場はかなり大きい。ムーアの法則は、今後はこうした圧縮技術に使われるでしょう。コーデックを固定しないで、ファームウェアに入れて電波でアップデートできるようにしたほうがいいと思います。
>官民共同で次世代ハイビジョン開発、2015年放送目指す
またか・・・日の丸プロジェクトを作って2015年? 1080pはハリウッドでは映像マスターの標準になりつつあり、アップルなども採用し始めています。
http://www.apple.com/trailers/
いつものイナゴです
そもそもの話
放送局としてのNHKは必要なのでしょうか
いっそのこと番組作成会社としてプロダクション化してしまって、作成したコンテンツをどこぞに売り込む方式にすれば無駄に多い(と思われる)社員を大幅に減らせるのではないでしょうか
というか実際、あの大量にいる社員の人たちは普段何してるんでしょうか
RE:スーパーハイビジョン
入力~出力のどこで潰れているかまでは分かりませんが、白つぶれはダイナミックレンジの問題ではないでしょうか。ビジュアル環境が鑑賞的に進歩してないというのは僕もずっと思っています。DVDが出始めた頃からですが、技術があまり人を幸せにしてないように感じてます。
コーデックの変更については個人的にはやや懐疑的で、MPEG-2からなので若干改善はされると思うのですが、根本的には帯域が足りてないのでないかと思います。H.264だとブロックノイズは改善される気がしますが、最近は出力側にもアンチブロックノイズがついてたりするので微妙に複雑ですね。
ハリウッド事情はよく知りませんが、DCI の 4K はまだこれからなのでしょうか。スーパーハイビジョンはこれも越えていますので恐れ入ります。
研究所
コメントではNTT研究所が槍玉にあがっていますが貢献してきたことも少なからず大きいのではないですか?少し論理の飛躍があると思います。東証一部上場企業でも20前のネットワークシステムを場所によっては使ってますし運用実績からトラブルも少なく安定しています。枯れた技術を捨てないのは安定しているからです。最先端のシステム構築と運用を設定したのだから最小限に防げるという理屈は成り立たないと思います。システムというものはほとんどが人為ミスからであり技術が古いとか統合されていないという問題ではありません。今回の事件は人為的な怠慢から起きた事件であり既存のシステムでも対応が可能です。変更可能なモジュール形式という方法もありますがLinuxの歴史を見ればわかるようにGUIなどの未対応な部分もでてくるわけですし新たな問題がでてくるわけです。また、今更50過ぎた定年間際の人間にITの対応を求めることは理想論すぎるでしょう。NHKの新規採用から条件に情報資格などを設けて取り入れ改善していくべきです。
NTTの研究所が特殊だから民間に売却せよとのことですが、特殊だからこそ保護すべきだという考え方もあると思います。挙げている成果こそ重要だと思います。個人的には、なんでも民営化すれば良いと思っておらず、国立大学の独立行政法人化にも反対なので…
ネットワーク経由のソフトウェアのアップデートが当たり前になった今日このごろ。コーデックなんて固定する必要もないし、複数あっても良いはずです。ワンセグとフルセグみたいに。IPマルチキャストの技術が使えるならば、無圧縮でも問題ないと思います。テレビではリアルタイム性が重要なので、無圧縮が最終形だと思います。ですから大切なのは、まずテレビをIPにつなげるようにすることと、将来のコーデックやサービスの変更に対応できるような柔軟性を持ったテレビの基本ソフトウェアの開発こそ重要だと思います。VODまで考慮してもらえると最高です。ところでNGNはどうなったのでしょうか。
島氏の失敗は
NHKが率先して放送業界の改革をやろうとしたことが民放にとってはNHKが放送業界の王様でいようとすることに見えてしまい反感を買ってしまったことだと思います。
島氏が放送業界を改革しようと思うのならば放送法や著作権法を見直しを求めて新規参入や放送局に依存しない番組制作会社の育成を進めるべきでした。
番組制作について福地会長に望むことは外部の制作会社への発注は関連会社ではなく本体が行うことです。
島メディアネットワーク
当時、島メディアネットワークにはわくわくさせられたのを思い出しました。
VOD の初期の段階でしたが、いまや光で接続さえできればあたりまえですから...
>くまさんへ
非圧縮のHDTVデータは1.5GMbpsの帯域を食うのでマルチキャストが伝送しても、もったいないと思います。またテレビにMPEG-2から非圧縮を要求するほどのリアルタイム性は必要でしょうか。テレビ電話のような1対1のコミュニケーションではない限り、非圧縮が要求されることはないと思います。それよりも高圧縮コーデックが開発されることによって帯域に隙間が出来ることの方が遅延を許容してもメリットがあると思います。
基本的には柔軟性を持ったテレビの基本ソフトウェアの開発には賛成です。
福地会長
きのうの福地会長の記者会見などを聞いても、やはり期待できないですね。ビールの営業はプロかもしれないけど、放送にもメディアにも素人だから、よほど強力なサポートがないと、NHKの官僚機構に丸め込まれてしまうでしょう。
ただ私の知っている改革派が、そろそろ理事とか局長になる時期なので、時間をかけて変えていくしかないでしょうね。
RE:スーパーハイビジョン
池田さん、ほんとに最近のテレビ持ってなかったんですね。まあ私も今のプラズマテレビ買ったの半年前ですが。
今現在でMPEG-2というのは、画質からいうとすでにキツイですよね。スポーツ中継でいうと、サッカー、野球、ゴルフなどは画の動きが少ないので許容範囲内なのですが(もちろんアップで動く画はダメ)、バレーボールはカメラが常に動くので、ノイズだらけになりがちです。
よく、パソコンをいつ買おうかと思っても、最新技術を追っていると、結局いつになっても買えない、という話がありますが、動画圧縮技術も当分枯れるものではないので、コーデック書き換え可というのはリーズナブルな設計ですが、既に始まってしまった地デジの環境ではどうなっていくでしょうか? アナログ停波の次は、地デジセット一新!というCMが流れるのか?
>きのうの福地会長の記者会見などを聞いても、やはり期待できないですね。
福地会長には空気をきちんと読んでほしいです。
空気を感じるためにも視聴者との対話の場を設けるべきです。
ダイナソー
へ~、そうなんですか。東証や社保庁のシステムと同じですね。日本のシステムは海外のそれと10年以上の開きがあるんですよね~。
BBCに学べ
理事全員の進退伺は、福地会長に引き継がれたようで、コンプライアンス担当の3人以外は当面、残留の方向みたいですね。
このメンバーから副会長を選ぶとすると、原田氏でしょう。彼はアナログ人間だけど、人の意見を聞く人だから、特にインターネットの世界の人々の意見を聞いてほしいものです。永井副会長のやっていた「視聴者キャラバン」みたいなものは意味がない。必要なのは「NHKを知ってもらう」ことではなく、「NHKの実態を改める」ことです。
理事の中では、トヨタから来た金田氏が福地氏とチームを組むんじゃないかと思いますが、彼は「採算ばかり言って、番組の中身がわかってない」と、局内では浮いています。昔の池田会長もそうだった。福地氏にとっても、これがむずかしいところです。今のNHKにとって大事なのは経費削減じゃない(かなり極限までやった)ので、変に現場に口を出さないほうがいい。
最大の問題は、ここ数年、後ろ向きの仕事に追われて、企業戦略が何もないことです。特にマルチメディア局が解体されたあと、あちこちでバラバラにネット事業をやっている。これを集約し、BBCのようにインターネットを中心にした戦略と、それにあわせた組織をつくる必要があります。会長は何もわからなくても、「BBCに学べ」というのは通りやすいでしょう。
コーデック書き換えは夢想
なぜならそれはパソコンになってしまうからです。
理想的には番組データそのものにデコードプログラムを載せ、その番組に最適化した圧縮で放送するという方法も考えられますし、更に進めばシーンごとにデコードアルゴリズムを変更するということも考えられますが、問題はハードウェアへの要求が非現実的になるということです。
全ての受像機器に、今後5年先、10年先の動画圧縮技術の進化を見据えて十分な性能余裕を持たすなんて、まず非現実的なことでしょう。
私が5年前にミドルクラスの性能を狙って組んだPCは今でも常用する分には問題ありませんが、動画の処理や3Dゲームにはとてもとても力不足で役に立ちません。
池田さんに理事になって欲しいなあ…
そう思う人は、このブログの読者には多いと思いますよ。
お忙しいとは思いますが。
CIOを新たに設ける
今回の池田OBによる「内部告発」により、社内のオーバーホールが必要であることが判りました。(新聞報道では、不正経理などが中心なので):
<福地会長は、まず現在の理事を総辞職させ、外部からインターネットのわかる理事をまねくとともにCIOを設け、局内のシステムを報道・編成・資料・経理まですべてイントラネットに統合すべきだ。ついでに送出もIPに統合すれば、地デジもいらなくなる。だいたい地デジのストリームもIP over WDMで局間伝送しているのだから、それを電波に変換しないで、そのままDSLやFTTHに流せばいいのだ。>
>>Unknown(2008-01-26 00:58:09)さん
おっしゃるとおり、1.5GMbpsでは無茶ですね。しかし、低画質の無圧縮ならどうでしょうか?
昔から、視聴者の家にカメラを持ち込んでスタジオと視聴者でやりとりする生放送番組がありますよね。こういう番組ではリアルタイム性が必要だと思います。双方向性にはリアルタイム性が必要だと思っています。
現時点は違いますが、将来的にはコンピュータのコストよりネットワークのコストの方が安くなると思うので、低圧縮の方向に向かうのではないかと思っています。
>>時見鳥 さん
ハードウェアが(速度や解像度の面で)最新のコーデックについて行けなければ、簡易再生するようにすれば良いし、それすら無理ならば、昔のコーデックのままでよいのです。放送局は最新のコーデック用のデータと、昔のコーデック用のデータの両方を流せば良いのです。逆に、メーカーは将来のコーデックのスペックの向上を見込んでオーバースペックなテレビを作るのもアリですね。
電波放送の置換
>地デジのストリームもIP over WDMで局間伝送しているのだから、それを電波に変換しないで、そのままDSLやFTTHに流せばいいのだ。
電波による無線放送をIP網で置き換えるのは厳しいですよ。無数のノードに対して同じ情報を大量に送信する場合に、電波ほど低コストな手段はありませんから。10年も経てば今のデジタル放送程度の情報量は大したことないって話になるかも知れませんが。
まず電波利用料の適正化から
携帯電話なみの相場で、放送局から電波利用料を徴収すればいいんですね。それで、電波で放送するのと有線でIPで流すのと、どちらがいいかを放送局に決めさせればいい。
いきなりIPにならなくても、まず、地上波が消滅して、衛星に切り替わると思います。
適正化
放送局から電波利用料を適正徴収するためには総務省と地上波からIP相場へ低コストな手段でやりとりする方法のルールなど必要なことが山ほどあります。置換には同じ情報を大量に送信する場合にはIP相場へと構造改革を厳粛に実施しフェアトレードとなる利用料を理論的にも実証的にもまさにIT革命していくべきだと存じます。
電波列島沈没の日
なにかと面倒であるし、いい方に展開する目処もないようなので、実際TVというものを省いて生活できないかとやってみると、十分大丈夫です。リサイクル法で捨てるのに3000円だったかかかるので、今のところ押入れにぶち込んでありますw とはいえ報道関係は見ることも実はあるのでw、一万円のPC用ワンセグチューナーと全TVチャンネル聞けるラジオは持っております。
池田先生のお話にある島元会長の構想でお願いしたかったですねぇ。どうでもいい娯楽など全部民放扱いにして、必要な報道体制のみ視聴率関係なしの一個チャンネル、これがあるべき体制でしょう。ただ、これからそれに変わるネット配信の24時間局(有料でOK)でも出来れば、いつまでもエネーチケーに文句言うつもりはありません。民放に関しては日本特有のカルト放送ということで納得しましょう。地上デジタルだろうが何だろうがお好きにどうぞw もちろん視聴料などその日からは払いませんが。
川口
川口在住です。
アーカイブスは自転車で10分のところで、オープン時に行きましたが、いまは行く気もおきません。
理由は...
ぜんぜんアーカイブスじゃないからです。
(見たい番組が見られない。サーバにないから)
まあ、地元の小学生に番組作り体験の場を提供しているので、それはそれでいいのですが、なーんか、アリバイ作り感がいっぱいで、どんだけー、であります。
以上、現地報告でしたっ。
原田氏
あまり人の言うことを聞かないばかりか、ガチガチの放送主義者と聞きますが…
一般視聴者の視点で経営を
福地会長には一般視聴者の視点つまり「NHKはまじめな番組を作る放送局」「NHKは番組で商品の宣伝をしてはならない」といった視点を持って経営に当たってほしいと思います。
そういった視点を副会長に伝えればいいはずです。
今井副会長
副会長には、今井義典氏が決まったようです。彼とも何度も一緒に仕事をしましたが、とてもいい人だけど、本流ではなかった。解説委員長というのは、窓際ポストです。まぁ海老沢色のついてない人をさがすのは大変なので、消去法で決まったのでしょう。彼もアナログ人間だから大変ですね。
新執行部には、とにかく外部の人の意見をきくことを望みたいですね。それも長谷部恭男氏のようにメディアの状況も知らないでむやみに「公共性」を振り回す法律家ではなく、インターネットのわかる人です。
早速NHKが試される事態がやってきた
JTの中国産冷凍餃子で食中毒者が出ましたが中国と親密な関係にあるNHKのこと中国に不利なことでもきちんと報道できるのか見物です。
ここで中国に遠慮するようでは新経営陣は早速つまづくことになるでしょう。
最近の局内情勢
来週の「サイバーリバタリアン」でNHK問題を取り上げますが、毎日たくさんアクセスしていただいているNHKの職員のみなさんのために、そこで書けない内部情報を補足しておきます。
今井副会長は、国際放送局長も歴任したので、自民党筋がなぜかうるさい「国際放送の強化」についての対策を(まもなく始まる)NHK予算審議で「改革案」として出すことを検討しているようです。しかし国際放送なんて、だれも見てないマージナルな業務で、政治的なポーズ以外の意味はない。
またトヨタ出身の金田氏が専務理事になり、古森=福地=金田体制で動くことになりそうですが、このうち1人も、放送はおろかメディア関連業務の経験もない。増収は不可能なので、とりうる経営改善策はコスト削減しかありません。それは、ある意味では簡単です。民放みたいに手を抜けば、番組経費は半分ぐらいにできます。今の局内では、この進駐軍に対抗できる勢力はないので、そうなるおそれが強い。
特に深刻なのは、理事から(今井氏を除いて)報道がすべてパージされ、「国会対策」がいなくなったことです。日向理事が「報道担当」ということになっていますが、彼はサイエンス出身で、報道のことなんか何も知らない。しかも名ドキュメンタリスト(私も一緒に仕事をしたことがある)だけど、経営感覚はないし、まして彼が国会担当なんて考えられない。おまけに自民党側のカウンターパートだった片山氏が落選したため、郵政族も混乱状態で、だれがまとめているのかわからない。
そういう体制だから、今の経営はこれまで以上に政治に弱くなり、総務相が思いつきで「職員を査問しろ」というとあわてて全員査問する(当然何も出てこなかった)という、報道機関としては最悪の状態です。思えば、昔は海老さんが野中氏との阿吽の呼吸で、それなりにNHKの自立性を守っていたのだろうか・・・