病院病床の再編が最大の課題―厚労省審議官
厚生労働省の医療保険、医政、医療・介護連携を担当する唐澤剛審議官は12月2日、東京都内で開かれたフォーラム「どうする、日本の医療『新しい医療提供体制の構築に向けて』」で講演し、今後の医療提供体制について、病院病床の再編が最大の課題との認識を示した。その上で、病床の整備には地域差があるため、医療提供体制の問題は地域ごとに考える必要があるとした。
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唐澤氏はまず、独仏英米の先進4か国との比較で、日本は平均在院日数が長く、病床当たりの医師・看護職員数が少ないと指摘。その上で、「こういう体制ではやっていけない」と述べ、病院病床の再編が日本の医療・介護の提供体制の最大の課題との認識を示した。さらに、将来的に病床の機能分化や連携・ネットワーク化を進めるべきだと強調。再編のイメージとして、現在の一般病床を「急性期病床」と「亜急性期・回復期病床」に、療養病床を「亜急性期・回復期病床」と「長期療養病床」にそれぞれ分ける形を示した。
唐澤氏はまた、一般病棟70万358床の半数以上がDPCに移行している現状を指摘。「病院の支払いで出来高払いをしているのは、世界中で恐らく日本の幾つかの病院だけ」とし、こうした病院をどう位置付けるかが再編に当たっての課題になるとの見方を示した。
また、急性期病床から回復期病床などに患者がスムーズに移行できる仕組みの重要性を強調。ただ、病床の整備には地域差があるため、「医療提供体制はエリアごとに考える必要がある」と指摘した。
さらに唐澤氏は、病院だけでなく診療所の在り方や、病院と診療所の役割分担も検討すべきとの認識を示した。ただ、「医療提供体制の問題は、行政が強制的にやってもうまくいかない」と述べ、行政としては目標値を掲げるものの、実際の経営戦略は個別の医療機関に委ねるべきだと主張した。
更新:2009/12/02 18:43 キャリアブレイン
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