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【芸能・社会】

流行語大賞「政権交代」 「あぶり」落選 お笑い消える

2009年12月2日 紙面から

鳩山首相に代わって受賞した小川敏夫参院議員(右)と乾杯をする加藤清史郎(中)。(左)は野村沙知代さん(圷真一撮影)

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 今年で26回目となる「『現代用語の基礎知識』選 2009ユーキャン新語・流行語大賞」の発表・表彰式が1日、東京・丸の内の東京会館で開かれ、大賞に「政権交代」が選ばれ、鳩山由紀夫首相が受賞した。今年は最終候補の新語・流行語トップテンに「事業仕分け」や「脱官僚」「派遣切り」などが選ばれた一方で、お笑い系の言葉はゼロ。最近の政治・社会問題に対する国民の関心の盛り上がりを色濃く反映した結果となった。

◆鳩山首相「国民と成し遂げた」

 大賞を受賞した「政権交代」は「たった4文字のストレートな呼び掛けで、国民の圧倒的な支持を獲得した」と評価された。

 鳩山首相は同日、「国民と一緒に成し遂げた。ありがたいことだ」と官邸で記者団の質問に答えた。

 民主党政権が短命とならないよう「あまり政権交代が『流行』になっちゃいけないかな」と冗談めかしながらも「やはり民主主義には政権交代が必要だと思うので、その意味では良いと思う」と強調。「事業仕分け」も上位に選ばれたことには「国民に『政治が変わった。一緒に参加できる』とのムードが広がり、正しい政治の姿を見せることができた。私自身の流行語大賞は『政権交代』よりも『事業仕分け』かもしれない」と語った。

 鳩山首相の代理として表彰式に出席した民主党の小川敏夫広報委員長は「(トップテンに残った)事業仕分けも含め、政治への関心がものすごく高まった。受賞を弾みにしたいが、責任の重さも感じる」と表情を引き締めた。

◆「事業仕分け」に「派遣切り」も

 トップテン入りした「事業仕分け」は、官僚の予算要求の実態を白日の下にさらした政府の行政刷新会議と事業仕分け作業チームが受賞。「脱官僚」は、みんなの党を立ち上げた渡辺喜美衆院議員が受賞した。

 社会問題でトップテン入りした「派遣切り」の受賞者、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「派遣切りを流行させた日本経団連の御手洗(冨士夫)会長が受賞すべきだ」と皮肉たっぷりにあいさつ。世界中で猛威を振るっている「新型インフルエンザ」も選ばれた。

 このほか戦国武将や仏像などに関心を持つ歴史ファンの女性を表現した「歴女(れきじょ)」もトップテン入り。受賞者となった歴史好きの女優でモデルの杏(23)は「まっこと、ありがたき幸せに存じます」と武士のあいさつで会場をわかせた。

◆「草食男子」代表・小池 実は肉食です!

 恋愛に積極的でない若い世代の男性を指す「草食男子」を代表し、現在放送中のTBS系ドラマ「おひとりさま」で、草食系の教師役を熱演する人気デュオ「WaT」の小池徹平(23)が出席した。

 「正直、僕自身はどっちかというと肉食系かも」と話す小池は、「恋愛もガツガツいきますよ。女性? 大好きですよ。好きな人がいたら一直線になりたい。いたらモノにしたいという気持ちがあります」と、あくまで役柄と私生活は全く違うことを強調。クリスマスの予定についても「予定はないですが、できれば女性と一緒に過ごしたい」と目をぎらつかせていた。

◆「インパクトがあった 僕は推したんですが」

 ノミネートされていた「あぶり」「のりピーショック」など元女優の酒井法子さん(38)の薬物事件に関連するワードがベストテンから漏れたことについて、選考委員を務めた漫画家のやくみつるさん(50)は、冒頭のあいさつで「個人的には(大賞候補が)『あぶり』だったんですが、(酒井さんは)学生生活が忙しくてこちらに来ていただけないのでは、ということで外れました」と解説した。

 さらに授賞式後、本紙などの取材に応じ「アイドルの口からそういう言葉が出たのがいちばんインパクトがあった。僕は『あぶり』を推したんですが、選考基準にそぐわなかった。本当に(酒井さんが)来たらすごかったんですけどね」と苦笑していた。

 「トゥース」(オードリーの春日俊彰)や、「あると思います」(天津の木村卓寛)など、お笑い芸人のネタが漏れたことについては「当事者の口を離れて広まるほどではなく、決定的には足りなかった」と話した。

◆「こども店長」にサッチー“クレーム”

 トヨタ自動車のCMから生まれた「こども店長」がトップテン入りし、受賞者となった子役俳優の加藤清史郎(8)は、あいさつの際は緊張したのか、なかなか言葉が出ず「とてもうれしいです」と2度繰り返しただけだった。

 それでも受賞後の囲み取材では落ち着いた様子で「まだ子供なので“こども店長”のままでいいです」「次もなれるとしたらトヨタの店長になりたい」などと報道陣の質問にしっかり答えた。写真撮影の際にカメラマンから「店長!」の掛け声が相次ぐと、両手でピースサインをつくって笑顔で応じる余裕もみせた。

 今年のNHK大河ドラマ「天地人」への出演で人気に火が付いた加藤。報道陣から「女の子にもモテるのでは?」と聞かれると「う〜ん、わからないです」とはぐらかす場面も。来年の目標には「鉄棒と跳び箱をがんばりたい。友だちが(跳び箱)7段を跳べて悔しいです」と強調した。

 愛嬌(あいきょう)たっぷりで会場でも人気者だった加藤。だが加藤に先立って囲み取材に応じた野村沙知代さんは「あの子は親がもう少しきちんと教育しないと。あいさつができない。ウチの孫の方がきちっとしてる。何でも原点は親」などと“サッチー節”全開で批判する一幕もあった。

◆妻指令…来場かなわず電話で ノムさん“キッチリ”

 「ぼやき」といえば、プロ野球・楽天イーグルスの前監督・野村克也氏(74)の代名詞。この日は、大阪で別の仕事が入っていたため、妻でタレントの沙知代夫人(77)が代理で出席。克也氏は生電話で受賞の喜びを語った。

 電話口の克也氏は、司会を務めた山本文郎アナウンサー(74)に「うらやましい限りですよ。若い奥さんはいかがですか?」と、昨年1月に芸能界最高年齢差の30歳年下女性と再婚した山本アナに祝福のぼやき。沙知代夫人が「余計なこと言わないの!!」と制したが、その後は「今日はそっちに行きたかったのに、奥さんの命令で大阪に…」などと、尻に敷かれがちな妻に対してぼやきまくりだった。

◆さく裂!1万円以下コーデ ファストファッション益若

 安くて手軽なファッションを指す「ファストファッション」を代表するカリスマモデルの益若つばさ(24)は、この日も「FOREVER21」で購入した約2000円のニットや、ファッションセンター「しまむら」で見つけた980円のファーベストなど全身で計1万円以下のものを着こなして登場した。現在は、「しまむら」が大好きな「しまラー」と呼ばれる女性が急増中。同社から感謝状を受け取ったという益若は「安いからってダサいとは思わないで。あきらめずに、店の隅から隅まで探せば、レアなアイテムが潜んでいますよ」とアピールしていた。

 

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