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【ドラニュース】


河原“リストラの星”だ!

2009年12月2日 紙面から

契約更改を終え、笑顔で会見する河原=名古屋市中区の中日ビルで(布藤哲矢撮影)

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 一度は地獄を見た男が“リストラの星”になった。中日・河原純一投手(36)が1日、名古屋市中区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、400%アップの年俸3000万円でサインした。今季は浅尾、岩瀬へつなぐ勝利の方程式の一翼として大活躍。浪人生活を経て竜投に加わった河原が、5倍という大幅アップで復活の1年を締めくくった。3年契約を結んでいる和田一浩外野手(37)は現状維持の2億8000万円で更改した。

 胸のすくようなカムバックを象徴する契約交渉になった。ものの10分足らずでサインを済ませ、会見の席に着いた河原の表情はすっきりとしていた。

 「ドラゴンズがボクに手を差し伸べてくれて、少しは恩返しの働きができた。きょうはあまり金額は考えていなかった。最初から判を押そうと思っていました」

 44試合で負けなしの3勝、防御率は1・85。開幕当初は不安定だった中継ぎ陣の“救世主”となった。球団側は今季の600万円から一気に5倍に増える3000万円を提示。井手取締役編成担当は「ここという場面は全部抑えた。あのポジション(中継ぎ)では最大の評価。他に人がいなかった」と絶賛した。

 07年に西武を戦力外となり、強いられた1年間の「空白」が逆に肥やしになった。河原は言う。「浪人中は客観的に試合を見られた。その気持ちを今季のマウンドに持って行けた。第三者的に自分の投げている姿を見ることができた」

 若いときは「いいところを見せよう」と躍起になった。今は違う。「ボクがダメなら傷を最小限にとどめて次にバトンを渡せばいい。『自分が何とかしよう』とは思わなかった」。オレがオレが−という集団の中であえて“主張”を封印。この力の抜け具合が強みに変わった。

 「ウチの若手はすごいタマを投げる。でも、大切なのは気持ちの持ちよう。特にリリーフはあやふやな気持ちでマウンドに立ったらダメ」と河原。浅尾、高橋とイキのいい剛腕がそろうブルペンにあって、“先生役”としても存在感は絶大だ。

 かつては巨人でストッパーとして活躍。年俸は最高で7500万円(03年)に達した。“リストラ”でいったん「0円」に下がってしまったが、これでV字回復。河原の復活ストーリーはまだまだ続く。(金額は推定)

 (木村尚公)

 

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