弟分の“非礼”をわびたかった。球場に着いた工藤が真っ先に出向いたのは、野村監督のもとだった。
「城島の件は、あいつが(ダイエーに)入団してから5年間教育した僕にも責任があります。申し訳ありませんでした」
ことの発端は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。東京ラウンドの韓国戦で、現ロッテの金泰均(キム・テギュン)に決勝打を浴びた城島を、野村氏が「配球が悪い」とひとボヤキ。城島が「野村さんが現役だったら1点も取られていないんでしょう」と反論したため、大会中“舌戦”が展開されたのだった。
この日も野村氏は、「あいつには日本人が美徳としている謙虚さがない。気に食わん」と城島を攻撃。9カ月たった今も変わらぬ恨みをボヤキにからませ、スタンドの3000人を沸かせた。
代理に謝罪した工藤に、ノムさんは「城島に『メジャーリーガーなら、人間としてもメジャーらしくしろ』というとけ」と伝言を委託。城島が高卒ルーキー時代から面倒を見た工藤が間に入れば、関係修復も近い?
(高橋潤平)