同じバスに乗っていた外国人教授に「汚い」「臭い」など人種差別発言をした疑いで略式起訴されたパク某被告に対し、裁判所が27日、罰金100万ウォン(約7万3000円)を言い渡した。特定の宗教・国籍の外国人を嫌悪するような発言で侮辱感を与えた点が認められたのだ。国内で、韓国人が人種差別発言で起訴されたのも、有罪判決を受けたのも、これが初のケースとなる。
韓国社会の根深い人種差別主義への警鐘になるよう願いたい。被害者のフセイン聖公会大学研究教授は韓国に滞在中に似たようなことを数え切れないほど体験したという。地下鉄ではそばに座るのを忌避し、バスでは居眠りして終着駅まで行ってしまった時、運転手が太ももを蹴りながら起こしたという。事件当時、同氏と同行中だった韓国人女性ハン某氏は今月初め、米紙ニューヨークタイムズとのインタビューで「フセイン教授と交際しているのかと私を問い詰めていた家族が、最近ドイツの男性と結婚したいとこのことはうらやましがっていた」と打ち明けた。
韓国社会の外国人に対する二重の態度は顔を赤らめてしまうほどだ。最近、韓国文化観光研究院が訪韓した外国人を対象に行ったアンケート調査によると、米国・英国など西欧の人が「韓国人は親切」と回答した割合は70%を上回ったが、アジアの人は40%にすぎなかった。アジア出身の外国人は、韓国人が忌避する3K職種(労働環境が「きつい、危険、きたない」である職種)の労働者、または農村の男性と結婚するため韓国入りした女性と刻印されているためだ。
数字上でも役割上でも韓国社会で大きな軸を成しているこれらを、単に経済力が落ちる国から来たという理由だけで差別することは決してあってはならないことだ。「多文化社会」はもう逆戻りできない大きな流れとなっている。遠からず韓国人口10人に1人は外国人になると見込まれている。少子化対策の一環として開放的な移民政策まで公表した国家が韓国だ。そのためには純血主義にこだわりすぎる意識から変革させねばならない。肌色が異なる人や子女を今後もずっと「二等市民」扱いしていたら、国家の競争力を育てるどころか社会の対立ばかり深まることになるだろう。単一民族の神話がこれ以上国家発展の障害になってはいけない。
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