あらゆる状況でもあなたが説得力を持って話すための4つの簡単なワザ
仕事ができる人の黄金のスピーチの技術
スピーチがうまいと仕事ができる、出世も早い!あがることなく、聞く人の心をつかむスピーチは誰でもできます。
プレゼン講師として多くの企業で大人気の著者が、わかりやすく解説。
ディベートをしっかり身につければ、怖いものなしではあるが、本番ではなにが起こるかわからない。
おまけに、いつもあなたが闘いやすい状況とは限らない。
ここでは、あらゆる状況でもあなたが説得力を持って話すための簡単なワザを紹介していく。
せっかく準備したのだから、ディベートや討論で確実に勝つための秘儀を身につけ、勝ちっぷりのよい話術を花聞かせてほしい。
場の空気をつくる
まず第一に考えてもらいたいのが、「場の空気」だ。
あなたは、話す場所 = 舞台をしっかり把握しているだろうか?
ムードをつくるのは、あなたの話し方だということを肝に銘じておいてほしい。
あなたの話がわかりやすくおもしろければ、そういうムードがつくり出せる。
決裁権限のある社長は、本当はあなたの意見には反対なんだけど、社員一同があなたを支持するムードになっていたら、無視できないわけだ。
場の空気、これこそがキーであり、真のジャッジ(審判員)だ。
軍隊や一般企業、教育機関といった集団がおこなう合宿を見たり、あなた自身で経験したり、周りの友人から聞いたことがあるだろう。
なぜ、わざわざ場所を変えて、山間部や海辺などで合宿をするのか?
あなたが会社の合宿で一員になった気持ちで考えてみてほしい。
環境を変えて合宿をすることで、そこにいるあなたは四六時中、行動を会社から管理される。
当然、同期のメンバーと集団行動を強いられる。
その中で、会社の理念などを徹底的に叩きこまれる。
そう、環境を変える最大の目的は、短期間であなたの行動や態度を矯正すること。
そして、あなたの持っている信念・考えを変えてしまうことなのだ。
人間は、それぐらい環境の変化に敏感に反応してしまう動物なのである。
そのことを頭に入れたうえで、あなたが日頃人と話す「場の雰囲気」について考えてみてほしい。
自分のオフィスに来てもらう場合でも、会議室によってそれぞれ部屋の雰囲気などが違ってくるから場の雰囲気も異なる。
商談先の会社に行ったり、出先の喫茶店やファミレスで話をする場合もあるだろう。
このように、相手と話すシチュエーションはさまざまだ。
さまざまだから、適当にその場しのぎで場所を選択すればよいのか?
そんなことではダメだ。
相手を説得したいのならば、あなた自身で「環境=場所」を変えるという仕掛けが大事なのである。
うまく場所選びができなければ、相手に先んじて「環境=場所」を把握しなければならないのである。
そして、たとえどんな場所であっても、相手があなたの話に集中できる環境かどうかに気を遣わなければならない。
一流のスポーツ選手や一流の役者は、自分のスタジアムのコンディションや自分の舞台を必ず事前に把握しておく。
だから、絶妙なプレーや演技ができるし、最高のパフォーマンスを発揮することができる。
同じように、勝負を決めたいときには、自分の話す「場の空気」を把握しなければならない。
話す空間は、あなたにとってのスタジアムであり、舞台であるのだ。
その場がどのくらいの広さで、どのくらいの部屋の明るさで、壁のつくりはどうなっているか(薄いのか厚いのか? 木製か鉄筋か? など)を把握する。
話す舞台をしっかりと把握できれば、あなたはその場を仕切ることができる。
場の特性をちゃんとわかっているのだから。
その場所で、あなたはどこに立てば自分の声がその空間で広がっていくのか、相手に伝わるのかを事前にチェックすることができる。
舞台把握
↓
「場を仕切る」
↓
「最高のパフォーマンスの発揮」
この一連の方程式があるから、相手から支持を得られるのである。
次に、「場の空気」。
あなたが話す相手は見知らぬ人だったり、複数であったりとさまざまだろう。
同じ舞台でも、キャスト(登場人物)が違えば、その演劇は味の違うものとなる。
その味がまさしく「場の空気」ということなのだ。
たとえば、相手との話で、寒い寒い北極のような空気が流れているか、それとも南国グアムのような熱気覚めやらぬ空気か、など毎回違っているだろう。
話す舞台 + 話し相手 =場の空気
この公式をしっかりと頭に入れておこう。
少しでも相手と話がかみ合わなかったら、「ちょっと他の店に行きましょうか?」などと言って舞台を変えるのが賢明だ。
ときには、「今日はなんですから、日を改めてお話ししましょう」という勇気も、場の空気を変えるためには必要だ。
また、場の空気によっては、話し相手を笑わせて流れを変えることも必要だ。
そうすることで、状況は一変するかもしれない。
場の空気を大切にする人は、話す舞台と話し相手の緊張度合いなどのコンディションをコントロールしている。
そして、場を仕切ることで相手の行動を予測したりもできるのだ。
一貫した主義・主張を持つ
あなたの主張をブレさせないためにも、話を展開していく議論のよりどころを持つことが大切だ。
ディベートで仮説を立てるときに、メリット・デメリットを軸にすることで、あなたの主張がより多くの人に支持される力になる。
権威を徹底的に利用する
さまざまな分野の論題が出されるディベートで、説得力を持って話し、勝利する秘訣の1つに、「偉い誰かも同じことを言っているんだ」という論法を利用する方法がある。
意見を言うためには、いつも根拠となるエビデンスを用意して証明しなければならないと話した。
そして、そのエビデンスはある分野でエキスパートと言われる人の言葉・考えをひっぱってくるのだ。
そう、「権威を徹底的に利用しろ」ということである。
たとえば、
「松下幸之助は生前……のように言いましたが、」
「小泉総理はこう言っています。……」
「イチローは人生を……、と言っているように、」
などなど。
その他で言えば、世界の研究者、評論家、大学教授、政府関係者などの発言・意見を引っぱり出してくればいい。
私は、「引用」をエビデンスとしてよく利用する。
使える情報やデータを掘り出すためには、日々アンテナを立てておかなければならない。
よい引用はなかなか集まらないものだから。
逆に、いいエビデンスが集まるようになれば、話の引き出しが多くなり、ひいては自分の世界観が大きくなり、話し方に風格が出てくるはずである。
私は、毎日新聞の土曜版のコラムなどを利用している。
あなたも自分なりに引き出しを多く見つけ、話の表現のバリエーションを身につけてほしい。
話すテーマは限定的に
説得力を持たせるためには、1つのテーマをしっかりと定めて、そのテーマにそって論点を絞って話すことだ。
こうするとグッとわかりやすくなる。
話のはじめに、テーマをしっかり、1つ決めることが重要なのだ。
身近な例を出してみよう。
- Aさん わが社の売り上げを、来期は今期と比べて150%アップさせよう
- Bさん それならば、新卒を多く獲得しましょう
- Cさん いや、新卒よりも経験者である中途採用を積極的に進めるべきだ
- Dさん 経済環境がよくない中で人を採用するのは、リスクがあるのでは
- Eさん 同業他社は、採用を今年の2倍増やすらしいぞ
よくある会話だが、この5行の会話の中にも、論点がふんだんに盛り込まれている。
- 自社の売り上げをアップさせようというテーマ
- 雇用を増やすべきか否かというテーマ
- 新卒か中途か? というテーマ
- 自社と同業他社との採用比較に関するテーマ
私は、一概に横道にそれることが悪いとは言っていない。
元に戻ってこないことがまずいと言っているのである。
この話の核にある問題提起は、あくまでも業績アップのためどうしたらいいかという話だ。
この論点に、話している人々が戻ってこられればよいのである。
そのためにテーマを絞って話す。
そうすれば、あなたも話し合っている相手も、シンプルでわかりやすい話が必ず展開できるようになる。
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