部課長の基本
2009年 11月 25日

部下の士気を萎えさせないために上司ができること

やる気メルトダウンを防ぐ上司の行動習慣

企業は社員に「やる気を起こさせる」必要があるのではない。「やる気をなくさないようにする」必要があるのだ。

【「達成」に関連する活動】

(1)社員を奮い立たせる組織の目的を明確に伝える

社員が情熱を持つための重要な条件は、明確で信頼でき、しかも自分を奮い立たせてくれる組織の目的だ。つまり、社員にとって金銭を超えた「その組織にいる理由」になりうる、組織の「存在理由」である。

あらゆるマネジャーが、自分の部署の強力な目的を明確に言い表すことができなくてはいけない。

(2)賞賛を与える

マネジャーは、社員の貢献が大小を問わずすべて賞賛されるようにすべきである。多くのマネジャーが「社員はそのために給料をもらっているのだから、仕事をしたからといってなぜ褒めてやる必要があろう」という姿勢をとっているように思われる。褒められることがどれほどうれしいかを、社員たちは繰り返し、感情を込めてわれわれに語っている。また、よい仕事をしても褒めてくれず、そのくせミスをしたらすぐ怒るマネジャーに、どれほどいやな気分にさせられるかも語っている。

自分が達成したことを褒めてもらいたいという気持ちは、人間の最も基本的な欲求の1つである。賞賛は社員を自己満足に陥らせたりはせず、むしろ社員の達成感を強め、より多くの達成を生む一助になるのである。

(3)社員の仕事が円滑に進むよう、促進係になる

指揮・コントロールというスタイルを採用することは、やる気をそぐこと請け合いのやり方だ。それよりも、あなたの主な役割を、部下のために促進係を務めることと定義し直そう。部下の職務遂行を容易にすることがあなたの仕事というわけだ。その意味では、部下はあなたの「顧客」ということになる。促進係としてのあなたの役割には、部下たちと他の事業部門や上位マネジャーをつなぐ要として、部下の最善の利益を代表し、成功するために必要なものを部下が得られるようにすることなど、幅広い活動が含まれる。

(4)パフォーマンス向上のためのコーチングをする

部下のパフォーマンス向上を手助けしないマネジャーが大勢いるが、その主な原因は、彼らが部下をイライラさせたり士気をくじいたりせずにそれを行う方法を知らないことにある。2、3の基本的な原理を学ぶことで、この点は大きく改善されるはずだ。

まず何よりも、総合的なパフォーマンスが高い社員に、それを認識させることが必要だ。マネジャーは私の仕事ぶりに基本的には満足しており、私がさらによい仕事をする手助けをしてくれているのだとわかったら、社員は改善のためのフィードバックを受け入れやすくなる。

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