「奇跡」地蔵さま避け土砂崩落　福井、住民が再安置心待ち（12月2日午前7時00分）

写真㊤は、土砂崩れが起きた国道１５８号（旧道）。中央下の祠に地蔵が安置されていた。写真㊦は、土砂崩れ被害を免れ、清水さん方で保管されている地蔵

　福井市小和清水町の国道１５８号（旧道）沿いで７月に起きた土砂崩れで、現場近くにあった地蔵３体が被害を免れ、地元住民が保管している。土砂は祠（ほこら）を避けるように崩落していることから地元の人たちは「奇跡のようなもの」と安堵（あんど）。祠があった付近では年内の全面復旧を目指し作業が続いており、住民らは元の場所に再び安置できる日を心待ちにしている。

　地蔵は、現場付近で採れる小和清水石で作られており高さ３０～５０センチ。古い地蔵の傷みが激しくなったことから、近くに住む清水正生さん（７８）ら有志３人が新調し５月下旬に寄贈した。岩肌をくり抜いた祠（ほこら）に、「落石を止める」と言い伝えが残る、とがった大きな石とともに安置した。

　土砂崩れは、その２カ月後の７月２５日に発生。祠上方の山肌が幅約２０メートルにわたり崩れ落ちたが、祠の真上の岩肌がやや突き出していることが幸いしたのか、土砂は祠の右側へ流れ、地蔵は災難を免れた。

　崩落後に有志の１人、橋詰忍さん（６５）が、清水さん方の倉庫へ地蔵を「避難」させた。崩落の３０分ほど前、車で現場を通ったという橋詰さんは「もう少しで自分も危ないところだった。何よりお地蔵さんが無事でよかった」と安堵。地蔵は全面復旧後に再び安置する予定という。

　県福井土木事務所によると、土砂崩れ直後、国道は６００メートルにわたり、のり面補強工事のため全面通行止めとなっていたが、９月中旬に祠付近約１００メートルの片側交互通行部分を残し復旧。年内の全面復旧を目指している。

»この記事へコメントする

☆ハッピーニュースはコチラ☆