安曇野市内で開かれた会合であいさつする公明党の山口那津男代表 |
公明党の山口那津男代表は29日、安曇野市内で信濃毎日新聞のインタビューに応じ、来年夏の参院選での自民党との選挙協力について「政党対政党での形式的な協力関係は今のところ考えていない」と述べた。同氏が次期参院選での自公協力について否定的な考えを明言したのは初めて。民主党候補の支援は「白紙」とした。
公明党は山口氏の代表就任後、10月の参院神奈川、静岡両補選で自民候補推薦を見送るなど「自民党離れ」が指摘されている。山口氏は取材に「党再建が最優先課題」と強調。自公協力は「政権(与党)であればこそ。今はあまり意味がない」と述べた。一方で、地方レベルでは自民党組織とのこれまでの協力関係を踏まえ、柔軟に対応することもあり得るとした。次期参院選で長野県区(改選定数2)に党の独自候補を擁立しない方針も説明した。
山口氏は、党員や党所属議員らと意見交換するため全国各地を訪れており、長野県内入りは初めて。安曇野市では県内の党所属議員と意見交換。あいさつでは「全国3千人を超える議員ネットワークを生かし、地に足を着けて政策提言していく。参院選の結果は党再建の証しになる」と述べた。
この日は大町市役所も訪問。医師不足で経営難が続く市立大町総合病院の状況について牛越徹市長から説明を受けた。山口氏は「医療でも補正予算凍結や『事業仕分け』で不当な判断が出ている」と、鳩山政権による関連予算見直しの動きを批判した。