中国の人口データはなぜ不正確なのか?実態の発覚恐れ地方官僚がごまかし―中国
2009/9/30 12:072009年9月27日、人口問題及び計画生育問題の研究者・何亜福(ホー・ヤーフー)氏はブログでエントリー「中国の人口統計はなぜ不正確なのか?」を発表した。
中国の人口統計は正確性の面で多くの人々が疑問を抱いている。いまだ13億に満たないとの意見がある一方、すでに14億人、いや15億人に達したとの意見もある。中国の人口統計は以前からずっと不正確なものだったのだろうか。実は決してそうではない。1953年に実施された第1回人口全数調査は正確なものだったと学術界では認められている。一方、2000年に実施された第5回全数調査にはさまざまな問題があると考えられている。
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その背景となっているのが計画生育(一人っ子政策)。実態が明らかになれば、計画生育が正しく実行されていないとして当該地域の地方官僚が処罰される可能性がある。そうした不安から末端で調査のごまかしが行われているという。国務院は人口全数調査の結果を基に地方政府を評価することを禁じているが、現実には処罰の材料に使われる地域も存在している。
統計の問題を示す数値が一人の女性が生涯に出産する子どもの数を示す合計特殊出生率。計画生育の普及とともに出産数は減少しているはずだが、1990年代初頭から合計特殊出生率は1.8のまま変化していない。それというのも「国家人口発展戦略研究報告」で「今後30年間、合計特殊出生率は1.8前後にとどめるべきだ」と提言されていたため、それに合わせた数値となっている。結局のところ、実態調査を現実の利害問題と切り離さない限り、正しい人口データは得られないだろう。(翻訳・編集/KT)
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