「1.17」消灯で 超高層マンション住民、震災追悼に協力
追悼行事の「1・17のつどい」に協力するため、当日の朝と夕に部屋を消灯することになったマンション(手前右、神戸市中央区で)=原田拓未撮影
阪神大震災の犠牲者を追悼するために、毎年1月17日に神戸市中央区の東遊園地で開かれる「1・17のつどい」で、会場南側に完成した超高層マンション(34階建て、高さ約114メートル)に入居する住民が、当日の朝と夕、部屋を消灯して式典に協力することになった。
2008年の「1・17のつどい」(本社ヘリから)
マンションは関西電力神戸支社ビル(高さ約77メートル)の窓明かりで作る「1・17」の文字の一部を遮る場所に建設され、式典の雰囲気を損ないかねないとの指摘があったが、住民の協力に市は「追悼の趣旨を理解してもらえてありがたい」としている。
マンションは全271戸のうち、約70戸が販売済みで、19日に入居が始まる。建設した大阪市の不動産会社が入居者に対して、▽1月17日は午前5時〜同6時半と午後5時〜同6時半に消灯し、カーテンを閉める▽ロビーや廊下などの共有スペースの窓もスクリーンを下ろす――などについて契約時に協力を求め、全員から了解を得たという。
関電神戸支社ビルの「1・17」の文字は、会場に並べられる竹灯籠とともに、式典のシンボル的な存在。昨年までは東遊園地のどの場所からも見えたが、今年1月は会場の西エリアから文字が見えなくなったことから、文字を小さくしてビルの東側に寄せた。
(2009年12月1日 読売新聞)