「国民目線」の危うさ
民主党の事業仕分けショウが終っても、マスコミはまだその余韻を楽しんでいるかのように連日取り上げている。
朝日新聞は1兆数7億円の削減ができると報じ、朝日系のテレビはその「成果」を喜んでいるようだ。
しかし、目標は3兆円であり、その初期の目標をまったく達成していないことなどまったく忘れてしまっている。
なかには、数字はどうでもいいのであって、国民に税金の使われ方をオープンにしたことにこそ意味があると批判をずらしてしまおうとする者がいる。
確かにマスコミの世論誘導で事業仕分けショウへの国民の関心は増えた。
しかし、公開処刑のショウを見て面白がったかも知れないが、国民は必ずしも事の本質を理解してるとは思えない。
第一、1兆7千億から2兆円の概算要求をカットしたというのは真っ赤な嘘で、いわゆる「埋蔵金」の国庫への返還を除けば、実質は7千500億円に過ぎない。
民主党の政策に財源の裏づけがないことは総選挙の時から自民党や一部識者から指摘されていたが、民主党はムダを省くことで出来ると広言していた。
その論理が破綻したのである。
今回は全事業のうちの僅かな部分で、全部にこの手法を適用すればもっと削減できると弁解する向きもあるが、そんな言葉は誰も信用していない。
テレビメディアは3兆円に達しないとみるや、藤井財務相の「数字が独り歩きしている」発言を放映したり、民主党擁護のコメントが多く見られた。
TBS「朝ズバッ!」(2009/11/18)
1350億円の削減結果から・・・
みのもんた
「杉尾さん、もしかしたら(3兆円に)行けるかもしれませんよ」
杉尾秀哉
「うーん、どうでしょうかねえ。ただその、3兆円3兆円と言いますけど、3兆円はひとつの目安であって。3兆円は金科玉条ではないわけですよね。そこにひとつでも近づけて行かなくちゃいけない努力はしなくちゃいけないと思いますけど」
蓮舫議員が「スパコンはなぜ2位ではいけないのか」発言が問題になり、仕分け人たちが素人であることがバレてしまった。
しかし、説明出来ない官僚が悪いとフジテレビ。
フジテレビ「とくダネ!」(2009/11/)
小倉智昭
「技術の向上だとか日本の将来にとって大切な所というのを官僚がキチッと説明できないところに情けなさがあるんだよ、これはね」
長谷川豊(レポーター)
「その通りですね」
小倉
「はい」
しかし、蓮舫議員と同じ台湾出身の金美齢さんはキッチリと蓮舫議員を始めとする仕分け人が素人であると断じた。
日テレ「太田光の私が総理大臣になったら・・・」(2009/11/27)
金美齢
「問題はね、この仕分け人が素人が多すぎるという事なんですよ。科学立国でならなければならない日本の世界一を目指すスーパーコンピュータを2位でどうしていけないんですかとか、浅墓な質問が出るような仕分け人は素人以外の何者でもないですよ」
金美齢さんは下らない番組だと承知していながら日本のために苦言を呈しているという。その発言は8割り方カットされるというが。
しかし一方では、素人であることは国民目線だからいいと弁護する大馬鹿者がTBSでコメントを垂れていた。
TBS「朝ズバッ!」(2009/12/1)
漢方薬の保険適用外判定など仕分け人の素人判断を擁護して・・・
金井辰樹(東京新聞政治部デスク)
「行政刷新会議の事業仕分けは、ある意味素人集団ですよね。いい意味も含めてね。ただ普通の一般国民がこれはムダだろうと思う視点でやったこと。これから先、当然、専門家の視点も入れなきゃいけなくて、そこで見直すことはありうると思うので、今VTRで取り上げられた部分(漢方薬の保険適用外の仕分け結果)は見直される可能性はあると思うけど、削減された項目は、それなりに一般国民目線を基準にしていて、それから変えるならよほどの説明責任が必要だという鳩山さんの説明はそまとおりだと思う」
国民目線がいかに危ういものであるか、「国民目線」などマスコミの匙加減ひとつでいくらでも変える事ができるという事は先の総選挙ではっきりしたではないか。
鳩山さんが「説明責任」問うなら、まず自らの偽装献金の説明責任を果たしてもらおう。
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by おっさん
仕分け人は素人集団だった