手術用医療器具の点検を怠り手術中の女児(当時5カ月)を死亡させたとして、神奈川県警捜査1課などは1日、横浜市栄区、県立こども医療センター(同市南区六ツ川2)元脳神経外科部長の男性医師(61)を業務上過失致死容疑で横浜地検に書類送検した。県警によると、医師は器具を管理する立場で「何度も使っており、大丈夫と思い、点検を怠った」と供述しているという。
送検容疑は06年10月30日、慢性硬膜下血腫で同センターに入院していた同県秦野市の女児の開頭手術で、女性執刀医が頭の骨に穴を開けるドリルを使った際、先端から窒素ガスが漏れて血管内に流入、心臓にガスがたまる空気塞栓(そくせん)症で死亡させたとしている。センターは同日、県警に異状死として届け出ていた。
県警によると、ドリルは高圧窒素ガスで動き、ドリル連結部のゴム製リングでガス流出を防ぐ仕組み。リングが劣化していたとみられる。劣化を防ぐための注油などの使用前点検が必要と説明書には書かれていたという。【吉住遊】
毎日新聞 2009年12月1日 13時10分