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いじめ、東北全県で減少 文科省08年度調査

 文部科学省が30日に公表した問題行動調査結果によると、東北では2008年度、6県すべてで小中高校、特別支援学校が把握したいじめの件数が減った。小中高校での暴力行為は、東北で最も多い宮城などで減少。福島は児童生徒1000人当たりの発生件数が、全国で最も少なかった。

◎青森/公立で改善進む

 いじめは870件で小、中、高校で前年度より16〜154件減少した。児童生徒1000人当たりの認知件数は5.2件で、1.1件の減。公立校のいじめ解消率は2.4ポイント増の88.5%で、全国平均の79.9%を上回った。1000人当たりの暴力行為は1.0件減の2.8件だった。

 県教委は「各学校が研修などを通じて教員の指導力向上を図り、教育相談体制の充実にも取り組んだ。家庭や地域との連携を強化し、早期対応に努めた成果が表れた」と分析している。

◎岩手/面談など抑止力

 いじめは462件で、前年度のほぼ半分、ピークだった2006年度の3割程度に減った。県教委は「アンケートや面談を続けたことが抑止力になっている」と説明する。いじめ発見のきっかけは本人、保護者、アンケート、学級担任の順で多かった。

 前年度から横ばいの125件(公立校)だった暴力行為は、児童生徒1000人当たりの発生件数で見ると全国平均の2割程度。県央の中学生が傷害容疑で逮捕されるなどした教師への暴行は20件と倍増した。

◎宮城/件数6県で最多

 いじめの件数は、中学2年を除くすべての学年で前年度を下回り、全体でも2割減少した。一方で、児童生徒1000人当たりの認知件数は7.1件で、東北で最も多かった。

 県教委は「早期発見、早期対応など各校の取り組みが減少につながった。引き続きいじめ防止に向けて市町村教委などと連携し、対策を進めたい」と話した。
 暴力行為は709件で、前年度に比べて29件減少した。被害者が病院で治療したケースは49件だった。

◎秋田/減少傾向が続く

 児童生徒1000人当たりのいじめの認知件数は5.0件。06年度は10.4件、07年度は7.3件で、減少傾向にある。

 県教委は、全国に先駆けて取り組む少人数学習や、スクールカウンセラーの配置によるきめ細かな指導が影響していると分析。「手放しでは喜べないが、現場ができる限りの手を打ち、児童生徒に対応している成果が出ているのでは」と話す。

 暴力行為の内訳は「生徒間暴力」が56件で最も多く、「器物損壊」26件、「対教師暴力」7件などとなっている。

◎山形/小中高とも減る

 暴力行為は全体で127件。小中学校は前年度から7件増の11件となった。うち児童や生徒間の暴力が7件で、県教委は「ささいな人間関係のトラブルから感情を抑制できず、暴力行為に発展しているケースが多い」と指摘する。

 いじめは小中高校ともに前年度より減少した。県教委は「スクールカウンセラーや教育相談員を前年度より増やしたことが、良い結果に結びついたのではないか。いじめ撲滅に向けた子どもたちの意識も高まっている」と分析した。

◎福島/暴力行為も減少

 暴力行為は前年度比6件減の102件。児童生徒1000人当たりの発生件数は0.4件で、4年連続で全国最少だ。

 いじめは299件で、前年度から3割以上減少した。1000人当たりの件数は1.2件となり、2年連続で全国で4番目の少なさだった。

 いじめの内訳は小学校99件(78件減)、中学校125件(63件減)、高校74件(16件減)。県教委は「対策が浸透してきた結果。絶対にいじめを許さないという姿勢でこれからも取り組んでいく」と話している。


2009年12月01日火曜日

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