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品質管理に真心を

2009年12月1日0時5分

 企業経営において、未知の新技術を開発する姿は勇ましく、ロマンがある。対照的に、品質管理を中心とした生産管理技術を定着させ、改善する活動は、静かで地味。しかし、企業を陰で支える大事な力だ。改善活動に終わりはない。

 昨今は、国際的にも品質管理とそのマネジメントに対する評価が厳しい。そこで各企業は、QC活動や品質管理の国際規格「ISO9000」の認証取得を目指している。ただ、認証を取得したからといって、品質の安定的向上を保証するものではない。

 不良品をつくらないことは、品質管理の絶対条件。この製造工程上の能力が乏しいようでは、生産管理そのものが成り立たない。

 完全な品質保持を実現するには、最適な生産設備をそろえ、それらを完全にメンテナンスすることが条件。加えて、完璧(かんぺき)な作業標準が存在し、それを実行できる技術を持ったオペレーターが不可欠だ。こうした能力を整えたうえで、ISOなどのマネジメントシステムを導入しないと、意味がない。

 いかなる管理活動も、すべて人間が行っているということを忘れてはいけない。どんなに高度な管理システムを導入しても、そこで働く人たちに誠意が無いようでは、絵に描いた餅になりかねない。

 会社に愛着を持った社員が、真心込めて行う生産活動。これが不良品発生ゼロの原点だ。リストラが日常的に行われている企業で、社員の帰属意識が低いことは、想像に難くない。そのような企業では、品質管理の活動にも限界がある。

 「誠心誠意、真心込めて」。これがものづくりの原点であり、品質管理システムを支える土台だ。(樹)

    ◇

 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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