北朝鮮で17年ぶり貨幣改革

100ウォンが1ウォンに…

住民ら、中国人民元に交換しようと大騒ぎ

　北朝鮮は旧貨幣100ウォンを新貨幣1ウォンに変える貨幣改革を12月1日から電撃的に断行することが、先月30日までに分かった。北朝鮮の貨幣改革は1992年以降17年ぶりだ。北朝鮮は政権樹立以降、92年までに5度の貨幣改革（貨幣の交換含む）を行ったが、いずれも体制の変革期か、体制引き締め強化の必要がある時に実施された。今回の貨幣改革については、金正日（キム・ジョンイル）総書記の後継者に名前が挙がっている3男ジョンウン氏（26）への「3代目世襲」を控え、体制引き締めを強化する一方、深刻なインフレを抑えるための案とみる分析が多い。

　北朝鮮内の消息通はこの日、「これまでの金と新しい金の交換比率を100対1にする貨幣交換が12月1日から始まるという内容が、北朝鮮全域に突然通報された。北朝鮮内部に大きな混乱が起こっている。人民の間で“富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しく”という格差が深刻化しており、こうした経済的不平等をなくすため、貨幣交換を行うと説明した」と語った。韓国政府当局もこの日、貨幣改革関連の情報を入手し、分析を行っている。

　北朝鮮専門のインターネットメディア「デイリーNK」もこの日、複数の内部消息通の話を引用し、「平壌をはじめとする朝鮮中央銀行各道支店で、貨幣交換が始まった。これまでの金と新しい金の交換比率は100対1だ」と報じた。北朝鮮は、貨幣改革の事実を、各洞（日本の市町村内の町に相当）事務所を通じ、前もって住民に知らせていたと思われる。北朝鮮は、過去の5度の貨幣改革の際も、事前に改革案を通報していた。

　ある内部消息通は、「（北朝鮮に市場経済を一部導入した）2002年の7・1経済改建措置の後、あまりにも物価が上がり過ぎた。朝鮮の金が価値を失ったため、貨幣交換を断行したようだ」と語った。また別の消息通も、「貨幣交換の話が伝わるや、人々はドルや（中国の）人民元に交換しようとして騒動になった。誰もが大きな衝撃を受けている」と語った。

姜哲煥（カン・チョルファン）記者