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高齢者医療制度改革会議が初会合−厚労省

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 厚生労働省は11月30日、後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度の在り方を議論する「高齢者医療制度改革会議」(座長=岩村正彦・東大大学院法学政治学研究科教授)の初会合を開いた。初会合では、後期高齢者医療制度が抱えていた問題点や保険料の負担の在り方などが話し合われた。

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 会議の冒頭、長妻昭厚生労働相があいさつ。続いて事務局が会議の進め方について説明した。
 検討を進めていく上での基本的な考え方として事務局は、▽後期高齢者医療制度は廃止▽高齢者のための新たな制度の構築▽(75歳以上といった)医療制度を年齢で区分するという問題の解消▽市町村国保などの負担増に十分配慮▽保険料の急な増加や不公平感を生まないようにする▽市町村国保の広域化につながる見直しを実施―の6点を挙げた。また、2010年の夏までに基本的な方向性を示し、同年末には最終とりまとめを行うスケジュールを示した。さらに、11年1月に新制度に関する法案を提出した後、春には成立させ、13年4月から新しい高齢者医療制度に移行する計画となっている。
 
 この日は、新たな高齢者医療制度のあり方について全体的なフリーディスカッションが行われた。
 事務局が示した今後のスケジュールについて委員からは、4年後の新制度施行までの間の特別措置では財政が不安定であるため、できる限り議論を急ぐべきとの意見が出る一方、しっかり議論すべきとして、スケジュールが厳しいと疑問の声も上がった。
 横尾俊彦委員(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長)は、財政支援の在り方を検討する必要性を強調。「国で決めて負担は地方」とならないために、事前の検証をしっかりと行うべきと述べた。また、地方の関係者が随時対応できるよう、「全体的なスケジュール感を地方にも示してほしい」と要望した。
 また、堂本暁子委員(前千葉県知事)は、各保険者や国民一人ひとりの負担をいかに公平にするかが重要とし、「負担の不公平感を伴わない制度」にすべきと主張。岩見隆夫委員(政治評論家・毎日新聞客員編集委員)も、負担する側の感情を考慮すべきとした上で、「分かりやすさを新しい制度の大前提にしてほしい」と訴えた。
 一方、近藤克則委員(日本福祉大社会福祉学部教授)は、「(基本的な考え方)6点はすべて保険財政に関することで、今後の高齢社会に対応できる日本の医療をどうするかという話がない」などと指摘。医療提供体制を含めた議論を行う必要性を強調した。
 このほか、後期高齢者医療制度の良い面についても把握すべきとの意見や、医療保険制度や保険者機能の在り方を議論する必要性なども指摘された。

 長妻厚労相は会議の最後に、「年齢ではなく状況に応じた医療が必要であり、この制度の根幹にもかかわる」とし、次回以降は医政局の担当者も出席すると説明。さらに今後の高齢社会に向けて、「大変な費用負担をどうするかは大きな問題」とした上で、「その時にも通用するような医療制度の考え方の哲学をご教授いただき、制度を考えていく」などと述べた。


更新:2009/11/30 22:45   キャリアブレイン

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