深刻な雇用情勢が続く中、政府は30日、生活に困っている失業者を対象に職業紹介と、住まいや生活保護などの相談を1カ所で受け付ける「ワンストップ・サービス」を、17都道府県のハローワーク77カ所で試験的に実施した。
岡山県内では、岡山市北区野田のハローワーク岡山に開設。岡山労働局や同市、同市社会福祉協議会、岡山弁護士会が共同実施し、午前中から生活に困窮する求職者が次々と訪れた。
1階会議室に5つのブースを設け、総合受け付けのハローワーク職員が公営住宅への入居、生活資金の融資といった相談内容ごとに担当者が待つブースへ案内。相談者は「職業訓練で技術を身に付けたが職がない」「当面の生活費が欲しい」といった深刻な状況を打ち明け、担当者は申請方法などを説明していた。正午までに10人が利用した。
生活資金の支援を求めた岡山市南区、男性(43)は「就職面接に行く交通費にも困る状態。普段通っているハローワークで相談を受け付けてもらえるのは助かる」と話した。
ハローワーク岡山の伊丹信夫所長は「1カ所でさまざまな相談を受けることで集まった利用者の声を政府に伝えたい」としている。
総務省が27日に発表した10月の完全失業率は5・1%。完全失業者数は12カ月連続で前年同月を上回り、344万人。6〜12月に失業給付が切れる人が推定93万人に上る。