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【石川】

効果じわり 事故減 金沢の自転車走行指導帯

2009年11月28日

設置から2年経過し効果が表れ始めた車道左端の「自転車走行指導帯」=金沢市東山1で

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設置から2年並走など ヒヤリ場面も

 自転車に車道を左側通行するよう促す全国でも珍しい「自転車走行指導帯」が設置され二年経過した金沢市の東山、森山地区の国道359号(旧国道159号)で、自転車の絡む人身事故が年間一、二件にとどまり効果が表れ始めたことが、県警のまとめで分かった。しかし、車道を自転車二台が並走するなど危険な走行も後を絶たず、県警はさらに効果が出るようマナー徹底を呼び掛けている。(室木泰彦)

 指導帯は国道359号山の上交差点−浅野川大橋まで約一キロ。片側二車線の車道で、それぞれ歩道に接する幅一・二五メートルを走行帯として「灰桜色」で塗り、所々に自転車マークと「左側通行」が記される。自転車に車と同じ方向に走るよう促すが、義務ではなく、守らなくても違反にはならない。

 この区間は歩道が狭く、以前は自転車と歩行者の接触事故も多かった。このため、国土交通省金沢河川国道事務所が車道の一部を共有させる“苦肉の策”でひねり出した。二〇〇七年三月から約半年間の社会実験で効果が検証でき、国道159号だった同年十月から本格設置された。

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 金沢東署などによると、自転車が絡む人身事故は減少傾向。指導帯設置前の〇四年が四件、〇五年三件、〇六年三件と推移したが、設置した〇七年が一件、〇八年は二件、今年も十月末まで一件にとどまる。県警は「届け出がないため把握できない接触事故も減っている可能性がある」とする。

 しかし、指導帯の現場は、通学の高校生らが左側通行を守らなかったり、歩道と車道で二台並んで雑談しながら走るほか、車道で二台並走する危険な場面も目撃される。また、通勤、通学者の自転車が多い午前七時半〜九時まで左車線はバス専用レーンで通行車両は少ないが、自転車のすぐ脇を車が走り抜けるケースもあり、危険性も指摘される。

 県警は「指導帯は全国的にあまり例がないので、安全性が確保されるよう今後も県と連携し効果などを注視していきたい」とする。

 

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