男子プロゴルフツアー「カシオワールドオープン」が開かれていた高知県芸西村の「Kochi黒潮カントリークラブ」で29日午前10時15分ごろ、TBSテレビのスタッフが乗ったカートが観客の中に突っ込み、観客4人が重軽傷を負った。大会事務局などによると、高知市の30代女性1人が高知市内の病院に救急搬送され、眼窩(がんか)底骨折で入院した。他の3人は軽傷という。高知県警安芸署で関係者に事情を聴いている。
事故が起きたのは2番ホールで、石川遼選手を含む最終組がティーグラウンドからグリーンに向かうところだった。同ホールは打ち下ろしのパー3で、現場は急な下り坂。骨折した女性は坂を下っていたカートの前部に当たり、数メートル引きずられていった。芝の上にうつぶせに倒れ、しばらく動けなかった。他にもカートに接触した人がいたとみられる。
TBSの担当プロデューサーの説明では、カメラマンとアシスタントの2人1組で、計3組が5人乗りカート3台に分かれて移動し、コース内で取材をしていた。事故を起こしたカートは外部委託先のプロダクションの男性2人が乗り込み、カメラマンが運転。「ハンドル操作を誤った」と話しているという。
主催者によると、この日は7647人が入場。最終組には多数の観客が集中し、コース脇に設けられた通路は、一部で身動きが取れないほど込み合っていた。石川選手は「ああいう光景は初めて。びっくりして、あのホールでは動揺しました」と話した。
ツアーを運営する日本ゴルフツアー機構(JGTO)の小山和顕・ツアーディレクターは「今後はコース内での運転方法や観客が多い時の対応など、話し合いを重ねて事故が再発しないようにしたい」と話した。【濱弘明】
毎日新聞 2009年11月29日 12時47分(最終更新 11月29日 23時41分)