【コラム】韓国で伸びやむグーグル(下)

 ネイバー、ダウムなどに掲載されているニュースも不良記事が多い。芸能人や有名人がらみのニュースがあると、数百本のインスタントニュースがポータルサイトを覆う。そのほとんどは事実の確認もなしに、それぞれ書き写して作成した記事だ。これらのサイトの相当数は、ポータルサイトの直接的・間接的な支援を受けて成長した場合も多い。いずれにせよ、ポータルサイトとしては、関連記事が多いほどコンテンツの量が増え、広告を得る空間も多くなるため、大歓迎というわけだ。

 「韓国のポータルサイトの情報サービスは、不良を超え違法もいとわない」との指摘も多い。「韓国のポータルサイトが違法ダウンロードを勧めるサイトを黙認し、金もうけに没頭する間に、韓国の音楽市場、映画市場の競争力が急落してしまった」というわけだ。

 韓国のポータルサイトは、不良・違法情報を集めて見栄えよく陳列することが非常に巧みだ。一方グーグルは、コンピューターのネットワークによって分析した情報を機械的に羅列する単純な情報提供にこだわっている。情報を買い集めて自身のサイトに掲載する「情報包装戦略」を求める韓国のポータルサイトとは異なり、グーグルは情報を紹介するだけで加工や包装はしない。グーグルは「コンピューターがネット情報を探し羅列するだけで、人間が介入しない」というグーグル式ウェブ民主主義にこだわっている。グーグルでは少なくとも、韓国のポータルサイトのように劣悪な情報をよい情報のように見せ掛けることはしない。

 ルパート・マードック氏は「グーグルはニュース泥棒」と主張したが、マードック氏が韓国のポータルサイトのことを知ったらどう思うだろうか。そろそろ韓国のユーザーも「見栄えだけよく、内容が劣悪な情報」に対して異を唱えるべきではないか。韓国のポータルサイトがグーグルよりも受けがよい理由を知れば、人々はぞっとするだろう。

イ・グァンフェ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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