【コラム】韓国で伸びやむグーグル(上)

 グーグルは世界最大の検索エンジンだが、韓国市場ではかなり後れを取っている。グーグルは世界の検索市場の60%を占め、売上額は年間30兆ウォン(約2兆3000億円)、株式の時価総額は150兆ウォン(約11兆5000億円)を超えるが、韓国市場での占有率はわずか2.2%にすぎない。占有率60%のネイバーや20%のダウムに比べかなり下回っている。

 その理由は何だろうか。グーグルアースでは北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の別荘まで示すことができる。よって、技術的問題ではなさそうだ。韓国のポータルサイトの関係者は、「グーグルを上回るサービス競争力がその要因」と主張する。つまり同じ情報を検索しても、グーグルの単純で羅列しただけの編集とは異なり、イメージ、ニュース、動画、ブログなどカテゴリー別に分類し、検索以外でもニュース、ショッピング、天気、辞書、ブログ、UCC(ユーザー制作コンテンツ)、知識検索などさまざまなサービスを同時に提供する。高級デパートのブランド売り場のように、商品を見栄えよく陳列するサービスで上回っているということだ。

 しかし、いくらブランド売り場といっても、陳列されている商品が不良品なら問題は異なる。主婦のパクさん(36)は今夏、あるポータルサイトのスポンサーリンクで、40%オフのエアコンの販売情報を見た。パクさんはその情報を信用して30万ウォン(約2万3000円)を支払ったが、エアコンは配達されなかった。結局、そのサイトは閉鎖された。韓国ではポータルサイトでの不良商品情報が異常に多く、韓国国内のサイバー犯罪の37%が電子商取引で発生しているとの統計もある。人々は引っ越しシーズンになると、ポータルサイトで不動産情報を探す。しかし、ポータルサイトに掲載されている物件の半数以上がニセの情報だ。ネイバーの場合、新都市地域の売り物のうち72%がニセ情報だったが、これを知っている人はほとんどいない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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