jNGP - ジャンプ小説新人賞 / Jump Novel Grand Prix

jNGP'09 HOME '10 Spring 募集開始! '09 Summer 最終選考結果発表! '09 Winter 審査中!
jump Novel Grand Prix '09 Summer ジャンプ小説新人賞
最終選考結果発表
小説[フリー部門]銀賞2本!!銅賞3本!!特別賞1本!! イラスト部門入賞3本!! 小説[テーマ部門]該当作なし
総応募数371本! 白熱の最終バトルに勝ち残ったのは、この9本だ!!
惜しくもあと一歩!最終選考作品はこちら!!
先輩に続け!過去受賞者の作品をチェック!!『私立エルニーニョ学園伝説』
小説[フリー部門] 銀賞 楯+賞状+賞金50万円 『若火之燎于原<ひのげんをやくがごとし>』P.N ねずみ正午 福岡県 書籍化!!
あらすじ
魔獣使いの少女ガラは、親友を自らの弱さのせいで失い、ひたすらに力を欲していた。18歳になったとき、族長が彼女を呼んだ。神の「御子」の守護者を、獣を使った戦いで決めるというのだが…。それが、神と獣と人の命運を決する旅のはじまりだった。
編集部より
非常に高い筆力を感じた。異形の獣を使役する戦いはRPGの戦闘シーンのような面白さがあり、また、主人公の複雑な内面の描写もしっかりしている。ただ、世界観がわかりづらいところがあるのが残念だった。読者を意識した導入をつくることができていれば、さらに高い評価を得ることができただろう。
小説[フリー部門] 銀賞 楯+賞状+賞金50万円 『イモムシランデブー』P.N 久麻當郎 東京都 書籍化!!
あらすじ
高校一年生の甲本巧海は入学式の日、道端でカエルに頬ずりする美少女を目撃する。彼女は来生絵麻という巧海のクラスメイトだった。最初は男子から熱い視線を送られる絵麻だったが生き物フェチという性癖が判明し、次第に変態扱いされてしまう。そんな中、巧海は、なぜか彼女と一緒に無理矢理、生物部に入部させられてしまい…!?
編集部より
生物部が舞台という目新しい設定に加えて、キャラクターも強烈な個性を持っていた点が高評価に繋がった。生物に対しての下調べがしっかりされており、虫の説明や描写はリアルの一言。展開もテンポよく、楽しく読むことができた。
小説[フリー部門] 銅賞 楯+賞状+賞金30万円 『有限会社もやしや』P.N 浅津慎 大阪府
あらすじ
人気ゲームソフト『アルゴンブラスト8』を買いに行く途中、中村勝馬は、霊能者であるという横瀬真美に話しかけられる。「あなたは憑かれやすい体質なので、注意したほうがいい」横瀬の意味深な言葉を、聞き流す勝馬だったが、『アルゴンブラスト8』をプレイ中にたびたび起こる異変に、信じざるを得なくなる。そしてゲームの中から姿を現した幽霊…。勝馬の身に危険が…!?
編集部より
たくさんの魅力的なキャラクターを作り出していた点が評価された。キャラクターたちの掛け合いが、それぞれの個性を発揮して、どこを読んでも楽しく読めた。物語の本筋とは関係無い描写が多く、混乱するところがあるのが難だった。欲を言えば、物語の軸となるキャラクターを明快にしてほしかった。
小説[フリー部門] 銅賞 楯+賞状+賞金30万円 『千里がいる』P.N 渋谷貴志 宮城県
あらすじ
川上克人が通う小学校はどこにでもあるごく普通の学校だった。白木千里が転校してくるまでは。転校早々、千里はクラスで起きた窃盗事件を解決し、一躍、人気者へと登り詰めることになる。だが、実は事件そのものを仕掛けたのは千里であり、その事実に気づいた克人は徐々に彼の闇に気づきはじめ…。
編集部より
物語の組み立てが非常に上手い。千里という闇に触れていくことで、主人公が大人へと成長していく姿は胸にグッと来る。ただ、地の文に無駄な部分が多く、今後の課題として頑張って欲しい。
小説[フリー部門] 銅賞 楯+賞状+賞金30万円 『『いかにもってかんじに呪われて荘』の住人』P.N 夢猫 千葉県
あらすじ
家賃1万8千円のぼろアパート、『いかにもってかんじに呪われて荘』。そこに越してきたツバサは金髪をワックスで立てた、いかにもな不良高校生。アパートに暮らすのは、引きこもりの魔術師さつき、自己嫌悪しがちな魔法少女マヤ、人間不信な魔女のチカ。この面子で、何もトラブルが起こらないはずがない…!!
編集部より
個性的なキャラ、饒舌な文体による会話ネタなど、今回最も危険な作品。アイデアの奇抜さは非常に魅力。小説全体の話の軸を見据えたうえで、構成に緩急をつければ、作者の持ち味がもっと活きるはず。
小説[フリー部門] 特別賞 賞状+賞金10万円 『シーナくんのつくりかた!』P.N すみやき 埼玉県
あらすじ
足をひねってしまって保健室にやってきた高校生シーナくん。ベッドのカーテンを開くと、そこには着替え中の女の子が!名前は塙秋穂、保健室登校中の女の子。保健室の先生、通称「三十路」のちょっかいもありつつ、徐々に距離を近づける二人・・・。シーナくんが塙さんの心をひらくとき、二人のいちゃラブストーリーが幕をあける!!
編集部より
二人っきりの世界に、のめりこんで読んだ。何気ない会話もクスリとさせてくれて心地よい。「日常」の後に訪れるラストへも、ホッとさせてくれる仕掛けがあり、読後感は非常によかった。今後に期待。
イラスト部門 入賞P.N こちも 兵庫県
編集部より
今回の応募作のなかで群を抜く上手さがあった。世界観を匂わす背景や構図の巧みさもさることながら、なによりキャラクターの表情がよい。今後の活躍に大いに期待している。
イラスト部門 入賞P.N 伊藤絵馬 広島県
編集部より
独特のアングルからつくりだされる奥行きのある世界に、元気なキャラクターを配置した巧みさを評価した。今後は表情の表現にもう少しバリエーションがあるとなおよいだろう。
イラスト部門 入賞P.N なごみ 福岡県
編集部より
淡さのなかにも力強さを感じる、満足度の高い美しいカラー作品を描いてくれた。一方で1色の作品には物足りなさも。今後は1色イラストならではの技術の上達に期待している。
j-BOOKS編集長総評
総計371通というたくさんのご応募、ありがとうございました。今回、フリー部門で計6作品に賞を差しあげます。一部門では過去最多の受賞者数で、いずれ劣らぬ秀作です。ただ、それぞれ優れた部分がありながらも、もう一歩の踏みだし、完成度が足らず、金賞までは至りませんでした。一方、テーマ部門は「つき」というテーマの扱いが難しかったのか、残念ながら受賞作を出すことができませんでした。
フリー部門銀賞の「若火之燎于原」は、物語の運びがうまく構成力の確かさを感じました。ですが、設定の説明が不足している部分も多い。「イモムシランデブー」は「キモイ」と嫌われそうな描写を積み重ねながら、読了すると爽やかな後味が残る「青春小説」に仕上げた技量に感心しました。キャラクター造型も達者です。描写の踏みこみが甘い場面が散見されるのが惜しい。銅賞の「千里がいる」は闇を抱えた謎の少年と彼にふりまわされながら成長していく主人公、ふたりの描写が実に上手い。ただ少年たちの描写に「小学生らしくない」ところが多すぎる点が気になりました。「有限会社もやしや」は、登場する数多いキャラクターたちが実に楽しく面白く、ギャグも効果的で文章力はきわめて高い。ただ、狙いでもあるのでしょうが物語以外の寄り道要素が多すぎる感は否めません。「『いかにもってかんじに呪われて荘』の住人」は、特徴的な文体、突飛なキャラ造型、ひねった構成、と「尖った」部分はきわめて優れた小説です。しかし、全力投球、一本調子で緩急がない未熟さも目につきます。「シーナくんのつくりかた!」は、主人公ふたりのやりとりの味わいが実にいい。ただ、それ以外の構成、描写に難があり、特別賞という形となりました。イラスト部門の3人は将来性の豊かさ、「伸びしろ」の大きさを感じさせます。受賞者の皆さん、これからともに頑張りましょう。そして皆様、次回のご応募、お待ちしております。
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