武士。自衛官。骨太の役を演じる機会が多く、実力派として知られる俳優の永島敏行さん。役者の顔をもつ一方で、千葉県内で米や野菜をつくり、東京・有楽町では定期的に「青空市場」を開き、農業生産者と消費者のつなぎ役としても活躍中だ。農業に関わって16年。
「9月にはブロッコリーを植えて、10月はお米やサツマイモの収穫。めちゃくちゃ忙しいですね」と、日焼けした顔に大らかな笑みを浮かべる。
「ロケ先の熊本から空路で羽田、秋田と乗り換えて稲刈りをやり、羽田経由でまた熊本に戻ったこともあります」
JAL便をフル活用しての二足のわらじ。たまったマイルをどう活用しているのか?永島さんらしい活用法を教えていただいた。
月に1回(第2日曜日)、東京国際フォーラムの地上広場で「青空市場」を開き、農業の魅力を伝えている。www.aozora-ichiba.co.jp
「JALカードの入会動機は、マイルがたまることですね。飛行機だけでなく、タクシーやETC、ガソリンスタンド、レストラン、書店など、どこでも使える。マイルがたまっていくと、得したなという気分になれますから(笑)」
インタビューの待ち合わせ場所に電車で現れた永島さん。都心は電車で移動することが多いというが、羽田空港や成田空港への足はもっぱらタクシー。その際、マイルが2倍たまる「JALカード特約店」マークのステッカーが付いたタクシーを愛用。成田空港に近い千葉県芝山町での農作業の時は愛車で移動。その際にかかる高速料金やガソリン代もJALカードで支払う。本をよく買いに行く紀伊國屋書店も「JALカード特約店」だ。「JALカードをメインカードとして使っているんです。現金代わりに使っているので、あまり銀行に行かなくてすむし、毎月送られてくる明細書を見ると、どこでどうお金を使ったかわかるので便利ですからねえ」
こうしてたまったマイルは、特典航空券に交換し、家族で沖縄旅行を楽しむなどしてきた。ところがここ最近は、特典航空券をライフワークでもある農業に役立てているのだという。
「昨年、パリで毎年開催されている国際農業見本市の視察に行ってきたのですが、その時に特典航空券を使いました。この見本市にはあらゆる農産物が出展され、日本では見たこともない牛が出展されていたりするんです。それを一般市民も気軽に見に来る。ぼくがやっている『青空市場』はフランスのマルシェ(市場)のようなスタイルをとっていて、この見本市はとても勉強になりますね」
フランスは農業大国。次回はフランス各地を回り、イタリアにも足をのばしたいという。農業にかける意気込みは、趣味の域を超えてかなり本格的だ。むろん、成田―パリの往復は特典航空券を使うつもりだ。
1956年千葉県生まれ。77年、デビュー。翌年、映画『サード』で主演し、数々の賞を受賞。93年より秋田県で米作りに参加。以来、本格的に農業を始める。生産者と消費者の交流の場「青空市場」を主宰している。『産地発!たべもの一直線』(NHK情報番組)に出演中。
「仕事で各地を訪れますが、帰りは早めに空港に向かい、買い物を楽しんでいます」と永島さん。新千歳空港では、芝居仲間の差し入れ用に『ロイズ』の生チョコレートを必ず買う(写真は『オーレ』20粒入り693円)。
文・佐野由加利 撮影・清水伸充
撮影協力/アーキテクトカフェ汐留 TEL: 03-5733-4231
※JALグループ機内誌「SKYWARD」2009年11月号より転載