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高速無料化、支持は飯泉知事ら3人 全国知事アンケート 2009/9/13 10:55
高速道路無料化に賛成なのは徳島のほか、岩手、沖縄の知事。民主党は地域経済の活性化などのメリットを強調しているが、16人は明確に反対を表明した。対象路線など具体的内容が明らかにされていないことなどから、28人が賛否を示さなかった。 反対理由は「地方部の高速道路建設に必要な財源が確保されるか懸念する」(和歌山)「高速道路を使用しない国民に負担を強いる」(大分)など。「生鮮品などの輸送に支障が生じる」(長崎)「宅配便が翌日着かなくなる」(東京)と予想される渋滞の影響を指摘するコメントもあった。 これに対し、飯泉知事は「地域経済の活性化および都市と地方の格差是正に効果が期待できる」と賛成。「ただし壊滅的な影響を受けるJR、高速バス、内航フェリーへの国による支援策が不可欠」と注文を付けた。11日の記者会見では「まず本州四国連絡橋など淡路鳴門自動車道から無料化を実施してほしい」としている。 二酸化炭素の排出が増えると指摘する知事も多いが、飯泉知事は「ハイブリッド自動車、バイオエタノール燃料の普及拡大など、地球温暖化対策を加速する契機に」と提言した。 同党が来年春に実施する方針の暫定税率廃止で、ガソリンは1リットル当たり約25円安くなる見通しだが、賛成は岩手、沖縄両県知事だけだった。飯泉知事は賛否を明らかにしなかった。 反対が多いのは、地方税の暫定税率分(年間約8千億円)の減収を警戒しているため。「道路事業のみならず、他の行政サービスも減額せざるを得ない」(千葉)など、地方財政へのしわ寄せに対する懸念が目立った。 民主党は、国直轄公共事業の地方負担金を廃止して、暫定税率の減収分を穴埋めするとしているが、「財源として見合っていない」(愛知)と疑問視する声も相次いだ。 ≪高速道路の無料化≫民主党が衆院選マニフェストに盛り込んだが、具体的な対象路線などは明示していない。国土交通省の試算では、都市高速を除き無料化した場合の経済効果は一般道の渋滞解消などで2兆7千億円、家計の負担軽減を含めると7兆8千億円。高速道路を保有し、高速道路会社に貸し付けている日本高速道路保有・債務返済機構は、08年度末で30兆7千億円の道路建設に伴う有利子債務を抱えており、料金収入から支払われる貸付料で返済中。無料化すれば、返済や道路の維持・管理を税金で賄う必要がある。
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