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【長野】

上高地の景観守る計画案作成 保存検討委、文化庁に提出へ

2009年11月29日

観光客らでにぎわう初夏の上高地(今年5月)=松本市安曇の上高地で

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 日本有数の景勝地「上高地」(松本市安曇)の地元町会や有識者、国、県などでつくる「上高地保存管理計画検討委員会」(亀山章委員長)が、将来にわたり上高地の景観や自然環境を保存、管理していく計画案を作成した。今後、計画案は年度内に成案化し、文化庁に提出する。

 上高地は、学術研究の植物採取や山小屋の増改築などが年間40件にも上り、人の手が入ることによる景観と自然環境への影響も懸念されている。検討委は昨年10月に発足し、有識者ら20人が原案づくりのため、これまで計6回の会合を重ねてきた。計画案では、上高地の本質的価値を構成する要素として、「景観」や「動植物」「河川・湖沼」など項目ごとに列挙。価値を損なう要因として「外来植物の侵入」や「交通渋滞の発生」など計10項目を挙げ、それぞれに対し保存管理の基準などを定めた。また計画の実効性を高めるため、調査研究や意見交換などの場として地元や行政、大学などでつくる「上高地保存管理協議会(仮称)」の設置も明記。保存管理の手法などを話し合い、文化財としての上高地の価値を高めていくとした。

 計画案は今後、市議会の議論や市民意見を反映させ成案とする。市民意見の募集は市のホームページで行われ、20日ごろから1カ月間を予定している。

 (唐沢裕亮)

 

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